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40年前、『ガンダム めぐりあい宇宙』公開の熱狂 セイラ入浴シーンで盗撮も…

ファンがおどろいた新規作画の数々

『めぐりあい宇宙』でアムロを追い詰めた、シャアが駆るMS・ジオング。画像は2020年に発売された、「RG 機動戦士ガンダム ジオング 1/144 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)
『めぐりあい宇宙』でアムロを追い詰めた、シャアが駆るMS・ジオング。画像は2020年に発売された、「RG 機動戦士ガンダム ジオング 1/144 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)

 ここからは当時の筆者目線でのお話です。

 いよいよ最後の劇場版『ガンダム』が観られる……という気持ちと同じくらい、もう最後になるのかという寂しい気持ちもありました。思えばTV版が終了して2年間、『ガンダム』をずっと追っていたので感傷的にもなります。

 寂しいといえば、それまで恒例だった、先着で用意されていたセル画の配布もこのときはありませんでした。事情はわかりませんが、近くの映画館は配布対象から外れたそうです。

 しかし、セル画がもらえなくても徹夜して公開日初日に見に行くという点は変わらず、半年に一度の恒例行事になっていました。並んでいる最中も話すことはほとんど『ガンダム』の話ばかり。時折、次の夏映画に予定されていた『伝説巨神イデオン』と、TV放送が始まったばかりの『戦闘メカ ザブングル』も話題になっていました。

 そんなことを話している間に時間はあっという間に過ぎ、いよいよ劇場内へと入ります。当時の映画館ですから、座席に座れなくても詰め込むだけ詰め込むということが行われました。立ち見はもちろん、座席の間の階段に直座りする人もいて、今思えばいろいろとアウトな状況でした。

 そして、『めぐりあい宇宙』の上映が始まります。冒頭からいきなりドレン率いるキャメル艦隊との戦いで、すぐに戦闘シーンが始まる展開の速さに誰もが引き込まれました。以後、新作カットでは時おり声が上がるのですが、その反応がみんな同じところで、筆者は不思議な一体感のようなものを感じます。

 たとえば、裁縫するミライ・ヤシマの持つブライト・ノアのシャツにサンライズのマークがついていて「クスッ」とする声があったのですが、これは当時、制作会社である「日本サンライズ」が会社のロゴマークを発表したばかりだったことが起因しています。その後の世代の方には意味不明の小ネタですね。

 また、マナー違反だったのですが、カメラ撮影する人たちも何人かいました。特にセイラ・マスの入浴シーンは、待ってました!といわんばかりのシャッター音が聞こえてきて、不快だったのをおぼえています。

 新作カットでリアクションがあったのは、やはりキャラよりもメカが多く、ア・バオア・クーの戦場に登場しないと思っていたビグロがいたほか、マシンガンを持った旧ザクの登場、ホワイトベース所属以外の3機目のガンキャノンなど、まさかのサプライズの連発でした。こういったメカの細かい描写は、当時はガンプラブームだったことから良いファンサービスだったと思います。

 そのなかでも、中隊長機のツノ付き緑ザクというレア機はビックリしました。その後のザクの一般機とのやり取りはドリフのコントみたいで場内の笑いを誘っていたのを今でもおぼえています。

 そして、いよいよ感動のラストシーンを迎え、スタッフロールとなるのですが、ここで出てきたグワジンの艦橋にシャアの影が見えた場面がある意味、最後で一番いいところを持って行った感がありました。何せ見終わった直後の話題が、「シャアが生きていた」……でしたから。

 エピソードの順番やセリフもTV版と大きく異なっていた部分もあり、ある意味では富野監督がやりたかったTV版『ガンダム』のリファインはできた作品だったと思います。その完成度はファンを大いに満足させただけでなく、同年公開のアニメ映画では第1位となる12億9000万円の配給収入を記録、ガンダムブームは有終の美を飾ることになりました。

(加々美利治)

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