懐かしの「ゲームブック」の思い出 ズルして遊ぶ、激ムズ『ドルアーガの塔』で挫折…
ゲームブックなら「セーブ」や「ロード」、はては「チート」も思いのまま!

本を手にひとりで遊ぶという性質上、ゲームブックはちょっとしたズルも簡単に行えました。分かれ道でどちらに進めばいいか迷ったらそのページに指を挟んでおいて、両方の選択肢をチェックしてしまう、戦闘ではサイコロでいい目が出たことにしてしまう、まだ所持していないアイテムも持っていることにしてしまう……。やりたい放題です。
ビデオゲームで例えると、難度を「イージー」にして遊んだり、データのセーブとロードを駆使して複数の選択肢を全部試してみたり…という感じでしょうか。これらは今日のビデオゲームにはあって当然の機能ですが、当時のファミコンタイトルではむしろないのが当然でした。一部のタイトルで、パスワード入力によるデータのセーブ・ロードができたくらいです。
成否の判定や戦闘の勝敗をごまかす遊び方にいたっては、今でいうなら「チート」でしょうか。とはいえ、ソロプレイ専用の非電源ゲームでやる分には、誰にはばかる必要もありません。
しかし、ゲームブックのなかにはそんな小手先の遊び方では歯が立たないほどしっかり作り込まれたものもありました。そのひとつが、1986年に東京創元社から出版された全3巻のゲームブック「ドルアーガの塔」です。
ゲームブック版で主人公のギルが挑む塔もビデオゲーム版と同様に全60階で構成されており、各巻で20階ずつ踏破する構成になっています。筆者は方眼紙を用意して自分なりにマッピングしながら挑みましたが、あえなく第1巻で撃沈しました。ほろ苦い思い出です。
そんな本格派激ムズゲームブック『ドルアーガの塔 悪魔に魅せられし者/魔宮の勇者たち/魔界の滅亡』全3巻はKindleで電子書籍化されています。かつてゲームブックに触れていた方、歯ごたえのある冒険を望む方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか? 筆者も再挑戦したくなりました。さすがに今ならクリアできるはず…!?
(蚩尤)