マグミクス | manga * anime * game

カッコいい時の我妻善逸は本当に「眠って」いるのか? 背景にトラウマ体験も…

起きているときは女性が好きで、怖がりでネガティブだけど、寝ている時は強敵と渡り合えるほど強くなる、『鬼滅の刃』の人気キャラクター・我妻善逸。彼は寝ている時でも状況を認識し、仲間に指示を出すなど、「本当に寝ているのだろうか」と感じられる場面があります。こういう人が実在するとしたら、果たしてどんな人間なのか、考察します。

子供の頃から、つらい体験ばかりだった善逸

「眠っている」状態で技を繰り出す善逸が描かれる 『鬼滅の刃』Blu-ray/DVD Vol.5 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
「眠っている」状態で技を繰り出す善逸が描かれる 『鬼滅の刃』Blu-ray/DVD Vol.5 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 寝ているときは強敵相手に神速の剣術を放つれけど、起きている時は怖がりで女好きで挙動不審……というギャップが魅力となっている、『鬼滅の刃』の我妻善逸。主人公である竈門炭治郎の同期で、物語の主役級のひとりでもある人気キャラクターです。

 この善逸、戦闘場面では鼻にちょうちんを浮かべているなど「寝ている」ような描写がなされています。実際、自分が「雷の呼吸」を使いこなして、上弦の鬼などの強敵と渡り合っていても「寝ている間のことは、全然覚えていない」ので、自分の実力はいつまでも自覚しません。起きている時はネガティブで、不平不満を垂れ流すような性格なので「いつの間に大けがしていた」と大騒ぎなのです。

 それだけ見ると「寝ている時は、本来の実力を出せて強いのか」と思えますが、善逸の寝ている状態(戦闘時)は、周囲の状況を認識していますし、それどころか伊之助など、仲間に口頭で指示を出してもいます。これは果たして「寝ている」と言えるのでしょうか。

 ヒントになるのは、「起きている善逸のカッコイイ時」だと思います。善逸が魅力的なのは、(情けない振る舞いをする)起きている時でも、弱い者、特に女性が危機に陥っているときは、全力で助けようとする部分や、恩義がある師匠・桑島慈悟郎には、深い情を見せる部分です。

 どれだけ弱音を吐いても、根っこのところには正義感があり、仲間思いな部分も垣間見えるのです。これは「寝ている時の善逸」にも共通する部分ですから「善逸の素の部分」なのではないかと想像できます。

 あのギャップのある性格は、後天的な体験でそうなったものではないでしょうか。

 善逸は捨て子で「親のいない俺は誰からも期待されない」「一度失敗すると皆離れていく」と語る場面があります。また公式ファンブックでは、善逸は「美人系、可愛い系、大店のお嬢さん、舞妓さん、お茶屋のお嬢さんなど、7人の女の子と付き合ったが、奴隷のように扱われ、手も握らせてもらえなかった」「自分を褒めた女の子が、裏では気持ち悪がって嘲笑し、見下しているのを聞いた」と書かれています。

 女性不信になるものの、根が明るいため、立ち直って別の女性の借金を背負ったものの、その女性は他の男と駆け落ちしたなど、悲惨な過去を背負っています。そんななかで、桑島慈悟郎に借金を肩代わりしてもらった恩義から、鬼殺隊に入りました。

 ただ、鬼殺隊とは、文字通り「人外の化物である鬼と戦う」組織ですから、その訓練の過酷さは「何度も脱走しようとしたが、桑島慈悟郎に投げ縄で捕まった」というほどで、慈悟郎が人情のある性格とはいえ、あまり幸せではなさそうです。

 捨て子で苦労し、思春期に入ったら女性に奴隷扱いされ、そこから抜け出したら、鬼殺隊で生命の危機にさらされた。その「いつも脅かされている人生」が、善逸の性格を臆病で卑屈な方向にしていったと考えられるのです。

 でも、善逸は本質的に善良で、お人よしでもあります。鬼を恐れつつも、子どもを庇(かば)ったり、禰豆子が入った箱を背負う炭治郎を信じて、伊之助に暴行されつつも箱を守ったりします。単行本4巻には「善逸の己の弱さに対する嘆きは、誰かの役に立ちたいという願いの裏返し」と書かれています。

 つまり「眠っている善逸」とは、「善逸のありたい姿」を無意識で投影したものではないでしょうか。

【画像】多重人格だから魅力的? 我妻善逸の表情いろいろ(6枚)

画像ギャラリー

1 2 3