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休めば?主人公パパが頑張りすぎ作品3選 正体隠しが共通点?娘のために死体を隠ぺい

多様な家庭の在り方が認められている現代でも、変わらず「パパが家族のために頑張る」物語は反響を呼びます。そのなかでもちょっと頑張りすぎなのでは?と思うものを特集します。

ヒーローでありパパでもある 「正体」を隠して戦わなくてはいけないパパたち

シングルファーザーでもある鏑木・T・虎徹の頑張りを応援したくなる『TIGER&BUNNY 公式ガイドブック HERO gossips』(KADOKAWA/角川書店)
シングルファーザーでもある鏑木・T・虎徹の頑張りを応援したくなる『TIGER&BUNNY 公式ガイドブック HERO gossips』(KADOKAWA/角川書店)

『クレヨンしんちゃん』(原作:臼井儀人)の野原ひろしは、今や国民の理想の父親像を一挙に引き受けるキャラクターになっています。足が臭い、給料が安いなどと罵られようが愛する家族の笑顔のため毎日必死で働く……たしかに「理想的」ではあります。

 さてマンガやアニメでは野原ひろしのように、たとえ自分のことをおろそかにしてでも家族のために必死で闘う、ときには「もう休めば!?」と声をかけたくなるようなお父さんキャラクターが数多く登場します。今回は、そのなかでもとりわけ「休んだ方が良い」主人公・パパたちをご紹介しましょう。

●娘にために半グレ男の死体を風呂で溶かすパパ……『マイホームヒーロー』

「週刊ヤングマガジン」で連載中(第3部連載予定)の『マイホームヒーロー』(原作:山川直輝 作画:朝基まさし)は、令和を代表する「パパ頑張りマンガ」となりそうです。主人公・鳥栖哲雄はミステリオタクの平凡なサラリーマン。大学生の娘・零花が半グレの男と付き合っていることを知り、娘を守るべく行動した結果、その男を殺害してしまいます。さらに哲雄はその男の死体を、持ち前のミステリー知識で風呂場で徹底的に「処理」しました。

 以降、半グレ集団に目をつけられた哲雄は愛する娘を魔の手から守るため、いつ殺されるかわからない状況下でプロの犯罪者たち相手に命を賭けた交渉に打って出ます。決して許される行為ではありませんが、動機は純然たる娘を想う気持ちなのです。それだけに殺人犯であるはずの哲雄、そして途中から協力者となってくれる妻に対し感情移入してしまうのです。話が進むにつれて最強の暗殺者・窪や、カルト教団まで絡み、どんどん目が離せなくなるマンガです。

●パパは正真正銘のヒーロー「TIGER&BUNNY」シリーズ

 サンライズ制作のアニメ『TIGER&BUNNY』シリーズの主人公・鏑木・T・虎徹は、比喩ではなく市民の安全を守る「ヒーロー」職に就く中年男性です。妻に先立たれており、溺愛して止まないひとり娘の楓を泣く泣く実家に預け、自身はいつ呼び出されるかわからない過酷なヒーロー稼業を全うします。それでいて娘の楓に危害が及ぶことを防ぐため、自分の正体は長らく秘密のままでした。

 娘を愛するがゆえに自分の正体を隠し、それがゆえに娘の不信感を募らせることになるジレンマ……胸に刺さります。どんな世界でも、いつだって中年男性は板挟みであるようです。さらに『タイバニ』の世界ではヒーローは人気商売。どうにも派手さが欠けるらしい、虎徹扮する「ワイルドタイガー」は何かと他のヒーローたちの引き立て役に回ることが多く、これがまた人間臭い悲哀を感じさせてくれるのです。第2期のエンディングでバーナビー・ブルックスJr.とゆったりキャンプをしているところを見ると、なぜかこちらもホッとします。

【画像】まだまだいる?頑張りすぎなパパ主人公たち(6枚)

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