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話題になった海外実写版映画5選 キャラの再現度や後味悪すぎな独自結末も見どころ

海外でも人気の日本の「MANGA」は、複数の海外での映画化企画が進行中です。過去に日本のマンガが海外でどのように映像化されたか、話題作を振り返ります。

マンガから実写へ、日本から国外へ

『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』ビジュアル。陽気なラテンのノリがハマっている (C)AXEL FILMS PRODUCTION - BAF PROD - M6 FILMS
『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』ビジュアル。陽気なラテンのノリがハマっている (C)AXEL FILMS PRODUCTION – BAF PROD – M6 FILMS

 筆者がスイスのトゥーンという、人口5万人に満たない小さな町を訪れた時のことです。町の本屋を見ると、なんと「MANGA」コーナーがありました。そんな遠くスイスの小都市でも手に入るほど、日本のマンガは国際的な人気を博しています。なかでも人気作になると、海外で映像化された作品も少なくありません。今回は今までに海外で実写化された、「MANGA」原作作品を紹介します。

●『ゴースト・イン・ザ・シェル』

 士郎正宗先生の『攻殻機動隊』は、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『攻殻機動隊 ARISE』『攻殻機動隊 SAC 2045』などのスピンオフ作品が制作されていますが、ハリウッド実施版の『ゴースト・イン・ザ・シェル』には、『STAND ALONE COMPLEX』の要素も含まれています。

原作と比べハリウッド版では善悪の立場がはっきりしており、「誰が敵で敵が何者なのか」を曖昧にしてきた『攻殻機動隊』シリーズと決定的に雰囲気が異なります。原作とスピンオフ作品の根底にあった、「魂はどこにあるのか」を問いかけるような哲学的要素も薄めです。物事をクリアに描く、ハリウッドらしい、エンタメ作品になっています。

 また、公開当時、原作の草薙素子にあたるキャラ(名前はミラ・キリアン)を白人女優のスカーレット・ヨハンソンが演じ、「ホワイトウォッシュ(白人以外の役柄に白人が配役されること)だ」と悪い意味で話題になりましたが、『攻殻機動隊』は全身をサイボーグ化した人が存在する世界観です。生来の人種と見た目が一致しない事に設定上の理由付けがされているので、筆者はあまり気になりませんでした。主人公が白人の姿をしていることで、無国籍感が高まって効果的だとすら思ったほどです。映画後半、彼女が白人の姿になっていることに納得のいく説明もされており、単に「ホワイトウォッシュ」と批判するのは安易すぎないかとも思います。

●『アリータ: バトル・エンジェル』

『アリータ: バトル・エンジェル』は、木城ゆきと先生の『銃夢』を原作としたハリウッド映画です。映画は原作4巻までに描かれたエピソードをもとに構成されていますが、大幅に改変されており内容は別モノに近いです。『ゴースト・イン・ザ・シェル』と同じく、原作で通奏低音のように響いていた「魂はどこにあるのか?」と問いかける要素も薄くなっており、雰囲気が大きく異なります。

 目が大きく頭身が低い原作のガリィ(映画ではアリータに名前が変更)を、「パフォーマンス・キャプチャー」である程度実写に寄せた形で再現したビジュアルは素晴らしいです。さすがはハリウッドのビッグバジェットと技術力で、MB(モーターボール)の場面などの大掛かりなアクションシーンを、「映画」らしいケレン味ある映像に仕上げています。

●『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』

 かつてジャッキー・チェン主演でも実写化された北条司先生の『シティーハンター』を原作にしたフランス映画で、舞台だけでなく、登場人物は全員フランス人になり名前も変更されています。しかし、『シティーハンター』の大ファンと公言するフィリップ・ラショー(監督・主演)の手によって原作のコミカルなノリはしっかり再現されており、面影をはっきり感じることができます。

 主人公の冴羽リョウ(映画ではニッキー・ラーソンに名前が変更)はハードボイルドだけど三枚目なキャラなので、うまい具合にラテンのノリとマッチしているように感じます。オリジナルストーリーながら良くも悪くもくだらない『シティーハンター』らしい物語や、海坊主や槇村秀幸のビジュアルが驚きの再現度だったことも、話題になりました。

【画像】MANGAを原作にした実写洋画の名作、良作&実写化予定作(9枚)

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