秀逸すぎる「ウルトラ怪獣」の別名たち 棲星怪獣←意味が分かると悲しい…
どうみても「恐竜」じゃない……最強のあいつ

さて「宇宙〇〇」の別名をもつウルトラ怪獣のなかでもこの多義性、解釈の豊かさの最高峰といえるのが「宇宙恐竜ゼットン」ではないでしょうか。
先日発表された「全ウルトラマン大投票」の怪獣編でも見事1位に輝いたこのゼットン……その姿はどう見ても「恐竜」ではありません。真っ黒な装甲に覆われた背面や胸部はカミキリムシを思わせますし、甲羅より伸びた手足は白く美しく、不気味な知性すら感じさせます。ある意味でできる限り恐竜(爬虫類)要素を抜き出してデザインされたように思えます。だからこそ「宇宙恐竜」と言われてしまうと、得体の知れなさが倍増。我々人類の想像とは全くかけ離れている姿をした「恐竜」が宇宙より飛来したのだという恐怖感を演出してくれました。
なおデザインを担当された成田亨さん自身はゼットンをあくまで「宇宙人」のつもりで描いたとおっしゃっています。「人」としてデザインされ「恐竜」として発表されたのですから、そのギャップはたまらないものがあります。他にも「宇宙」を別名に冠する怪獣でいえば「宇宙怪獣エレキング」「宇宙ロボット キングジョー」「宇宙大怪獣ベムスター」と名作が連なります。
『ウルトラマン』第37話「小さな英雄」に登場したジェロニモンの別名もまた怪獣たちを蘇らせる呪術的能力、そしてその容貌から漂う老熟さなどを端的に言い表した素晴らしい別名でした。現在では多少、記載に配慮が必要なのが残念なところです。
この「別名」文化は今もなお健在。最新作『ウルトラマンデッカー』の第1話に登場したスフィアザウルスは別名「精強融合獣」。一読して意味が掴めない字面ですが、まさに言い得て妙。「どうなっているの?」となる事請け合いのデザインを言い表していました。「別名」でどんな単語が使われていたのかで、その当時の時代感を探る手がかりにもなるのもまた楽しいところなのです。
(片野)



