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【追悼】水木一郎さんが「アニキ」と呼ばれる理由 ファンが見た知られざる一面とは

純粋で子供のようにやんちゃだったプライベートの水木さん

「水木一郎 ライブ・オブ・アニキング -Live Recording SHIBUYA O-WEST Jan.8th 2005-」 (C)2005: Be!Smile,Ltd.
「水木一郎 ライブ・オブ・アニキング -Live Recording SHIBUYA O-WEST Jan.8th 2005-」 (C)2005: Be!Smile,Ltd.

 水木さんはアニメや特撮のファンには昔から有名な存在で、徳間書店主催のアニメグランプリの記念すべき第1回では、歌手部門とアニメソング部門で1位となっています。この時に選ばれたアニメソングが『野球狂の詩』の「北の狼 南の虎」でした。

 一般にも広く知られるようになったきっかけは、おそらく音楽バラエティ番組『快進撃TVうたえモン』の企画として行われたイベント「24時間1000曲ライブ」だったと思います。24時間で持ち歌1000曲をすべて歌うというこの企画は、TVでは一部しか使われなかったことから、ファンには幻のイベントとまで言われました。

 この後、21世紀になって世界的に日本のアニメがもてはやされるようになって、水木さんは世界各地でライブを行うようになります。こうしたことから世間的に露出することも増えて、一般からの認知度も格段に高くなりました。

 そんな雲の上の人になる少し前のこと、実は幸運にも筆者は水木さんに何回か遊んでいただいたことがあります。当時はまだファンとの交流は普通に行っていた方も多く、水木さんとはお誕生日会やピクニックをご一緒させてもらったことがありました。

 その時の印象は明るくて社交的、ファンに気軽に声をかけて話も聞いてくれるという昨今の芸能人ではありえない距離感です。しかも三角ベース的な遊びをやっていると、「面白そう」だからと一緒に遊んでくれたこともありました。もちろんやる以上は本気でプレイしてくれて、筆者などは間違えてケガでもさせないかとヒヤヒヤしながら楽しませていただいたのを今でも覚えています。

 水木さんを「アニキ」と呼ぶ人は多いのですが、そのあだ名通り年齢を感じさせない若さ溢れる行動力を持っていました。どこかやんちゃな子供のような純粋さを持っていた人で、ファンの行動に必ずリアクションしてくれるサービス精神にますます好きになったことは言うまでもありません。

 お誕生日会では、いつもサービスで何曲も歌ってくれるのですが、その時の気分で色々な演出を加えていました。筆者が思い出深いのは『時空戦士スピルバン』の同名の主題歌を歌った時、間奏の間にセリフを入れたことがあります。

 歌い終わった後、水木さんはニッコリ笑って、「今度TVで出るセリフだけど放送まで秘密ね」と言いました。それは当時、出演していた『スピルバン』のベン博士のセリフだったのです。こういった茶目っ気のあるファンサービスが好きな人でした。

 しかし、人数が増えていったことでお誕生日会は発展的解消ということになります。その時、水木さんが最後に選んだ曲が『超人機メタルダー』のエンディング曲「タイムリミット」。そして、この曲を最後に選んだのは、「歴史をつなぐのか?ピリオドうつのか?」という歌詞に、自分の今の心境を重ねたと言っていました。

 筆者は今回の訃報に、その時の水木さんの言葉が浮かびました。水木さんがいなくなったことでピリオドはうたれましたが、その曲を忘れないことで歴史は後世にもつながれると思ったからです。

 思えば水木さんの歌った曲には教えられたこともいっぱいありました。筆者も落ち着いたら知人を誘って水木さんしばりでカラオケでも行こうと思います。

(加々美利治)

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