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なんて理不尽な! 「能力」を得て人生が狂った主人公 「立派になれたのに」

強すぎる能力には代償が伴う、というのはフィクションではありがちな展開ですが、さすがに人生がめちゃくちゃになるほどなら遠慮したいですよね。マンガ・アニメのなかには、能力を得てしまったがために恐ろしい殺人鬼になったり、孤独に生きていくことになったりするキャラもいました。

エリート街道を進み、幸せになれたはずなのに

自ら拾った「デスノート」に名前を書かれて、この世を去ることなる夜神月『DEATH NOTE リライト2 Lを継ぐ者』DVD(バップ)
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 ある日突然、特異な能力を身につけてしまったがゆえに、人生が狂い悲惨なことになってしまった主人公を見ると、たとえ悪事を働いていても、「なんて理不尽なんだろう」と思えてなりません。どうして彼らの人生がめちゃくちゃになってしまったのか、振り返ります。

 まずは『デスノート』の主人公・夜神月(やがみ・らいと)です。容姿・頭脳・運動神経など、あらゆることに長けたハイスペックな人物でした。父親は警察幹部のエリートで、家庭も円満で、すべてにおいて恵まれている環境で過ごしていたのですが……。

 そんな彼は一冊のノートを拾ってしまったことをきっかけに、人生が激変。そのノートとは名前を書いただけで、その相手を殺せる「デスノート」でした。人一倍正義感の強い月はデスノートを使って悪人を次々裁き、犯罪のない平和な世界を作ろうとします。

 月は最終目的として自身が「新世界の神」となることを目的として、デスノートを使って、数々の人を殺していくことになりました。しかし、月の前に月と同じく天才的な頭脳を持つ、世界の警察権力の「陰のトップ」である「L」が立ちはだかります。そして、強敵・Lやその遺志を継ぐ者たちによって、月は最終的に「キラ」(新世界の神)であることが、完全にバレてしまいました。

 追い詰められた月は、助かりたい一心で相棒の死神・リュークに助けを求めますが、なんとリュークはデスノートに、月の名前を書いてしまうのです。月がもしもノートを拾っていなければ、少し退屈しながらも正義感の強いエリートとして出世街道を歩み、何不自由ない生活を送れていたことは容易に想像がつきます。彼が真っ当に世のために働いていたら、時間はかかっても犯罪を減らせていたでしょう。

 続いて、『いぬやしき』のもうひとりの主人公で、高校生の獅子神皓(ししがみ・ひろ)です。ある日、宇宙人が起こした事故に巻き込まれた皓は、身体にさまざまな機能を組み込まれた機械人間にされてしまいました。無敵の攻撃力やどんな機械でも自在に操作できる力など、人知を越える能力を手に入れますが、同時に「生きている実感がしない」という悩みを持つようになります。

 そんな彼が見つけた生の実感を得る方法とは、他人を殺すことでした。他者の命を奪うことで自らの生を実感することに喜びを覚え始めた彼は、夜な夜な目に付いた家庭に侵入しては殺人を繰り返していきます。

 残忍ながら身近な人間への愛情はしっかりと持つ皓は、母親のためにATMを操作して大金を引き出すなど、殺人以外の悪事も重ね、とうとう警察に特定されて、指名手配を受けてしまいます。事実を知った、最愛の母は自殺。絶望して怒り狂った皓は、ネットで個人情報をばらまいたネット民たちを片っ端から始末していきます。

 そして「日本国そのもの」に対して宣戦布告し、罪無き人を片っ端から殺しまくるという凶行に走るのでした。ちなみに、彼と同じく事故で機械の身体を得ていた中年・犬屋敷壱郎は、反対に自分が生きていること味わうために能力で人びとを助けており、テロを起こす皓と戦うことになります。もともと普通ではない面を持つ皓でしたが、頭もよくイケメンな彼は宇宙人と出会わなかったら、少しは普通の青春を謳歌できていたかもしれません。

『亜人』の主人公・永井圭は、学校帰りに大型トラックに撥ねられて死亡しました。これをきっかけに、自身が決して死ぬことのない未知の新生物「亜人」であることが判明します。銃で撃たれようと刃物で刺されても、プレス機で押しつぶされようがどんな状態からも復活。政府は未知の生物「亜人」を研究するために、躍起になって圭を捕まえようとします。

 圭は「亜人」であることが判明してからは、多額の懸賞金がかけられ、人権が完全に失われて、国から追われ続ける指名手配犯となります。捕まってしまえばあらゆる苦痛を与えられ、えげつない人体実験の餌食になるはず。人格まで壊れてしまいそうなレベルで、日常が崩壊しています。圭は望んでもいない能力のせいで人生が狂いましたが、味方になってくれるたったひとりの親友・海斗の存在は、生きる拠り所となったことでしょう。

(LUIS FIELD)

【画像】「実写版」で見ると余計に苦しくなる、人生が狂ったアニメキャラたち(5枚)

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