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『アイアンキング』最終回から50年 思わぬミスで風評被害や都市伝説を生んだ?

都市伝説になった「幻の最終回」

アイアンキングとともに弦太郎と五郎が描かれる、『アイアンキング』Blu-ray(TCエンタテインメント)
アイアンキングとともに弦太郎と五郎が描かれる、『アイアンキング』Blu-ray(TCエンタテインメント)

 それは1985年にテレビ埼玉で『アイアンキング』が再放送されていた時に起こりました。本作は第1話から順調に放送はされましたが、突然、第25話「アイアンキング大ピンチ!」で番組が打ち切られ、最終回の第26話「東京大戦争」が未放送となったまま次番組が放送開始されます。

 つまり、ここで『アイアンキング』は最終回を放送しないまま番組を終えました。これだけでもあり得ない話ですが、実はこの第25話の終わり方に大きな問題があったのです。

 第25話終盤で敵の宇虫人「タイタニアン」に憑依された五郎はアイアンキングに変身、怪獣とともに街を破壊するという衝撃の展開がありました。本放送でも衝撃的すぎる展開で、子供の頃の筆者は最終回までの1週間、怖い想像をしながら過ごしたのをおぼえています。この時のアイアンキングはタイタニアンと同じマントをまとい、不気味な雰囲気を演出していました。

 これが最終回で弦太郎がアイアンキングのエネルギー切れを誘い、その正体が相棒だった五郎だったことを知ります。苦しむ五郎からタイタニアンを分離し、弦太郎はタイタニアンを撃退して作品はハッピーエンドを迎えます。

 つまり、最終回を見られないということは、アイアンキングが敵になって暴れまわるところで終わるということ。自分の子供時代の気持ちを思い出すと、この放送を何も知らずに初めて見た人の気持ちが痛いほどわかります。トラウマになること間違いなしでしょう。

 この出来事には続きがあります。都市伝説のひとつとして「ウルトラマンが町を破壊する最終回がある」という噂が独り歩きして、マスコミに報道されたことがありました。噂というものは尾ひれはひれがつくもの。伝聞が繰り返されることで情報が大げさになったのでしょう。

 この事件に関して調査した人もいるようですが、節々で話が食い違ったこともあり、実名で特定の人物の名前を挙げているなどしています。あくまでも筆者が信頼できると思った情報をつなぎ合わせると、テレビ埼玉での放送は最終回が納入されていない状態で始まりました。

 しかし、だからといって最初から最終回を放送しないつもりだったかというと、そこは断定できません。可能性のひとつとして、最終回は放送中に返却予定だったのではないかと筆者は推測しています。それが何らかの理由で、期日内に返却されなかったということではないでしょうか。

 どちらにしても、現在のようにコンプライアンスが厳しく言われている昨今ならば、すべてそろっていない段階で放送に踏み切ることはありませんし、返却も速やかに行われていることでしょう。その点で考えれば、まだそこまで緊張感のなかった時代が引き起こした事件でした。

 可哀想なのがこの時『アイアンキング』の最終回を見られなかった子供たちです。約40年ほど前の出来事ですから、みんなアラフォーになっていることでしょう。特撮ファンにでもなっていれば事情を察したかもしれませんが、そうでなければ最終回で敵に操られたままのヒーローがいたという記憶を引きずったままかもしれません。

 どこかの地上波で『アイアンキング』の最終回だけでも放送されれば、ひょっとしたら当時トラウマだった子供たちの心も晴れるでしょう。そんな風に『アイアンキング』の最終回を見るたびに思います。

(加々美利治)

【画像】敵に憑依されたアイアンキング 子供たちは恐怖した?(6枚)

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