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『カリオストロの城』がもっと好きになる!東映動画の傑作アニメ『長靴をはいた猫』

2023年5月5日の「金曜ロードショー」では、宮崎駿監督の『ルパン三世 カリオストロの城』が放映されます。ルパンとカリオストロ伯爵が「時計塔」で対決する場面は、何度観ても飽きることがありません。そのシークエンスの原型となったのが、宮崎監督が若手時代に参加した『長靴をはいた猫』です。見比べると、面白さが倍増して感じられます。

宮崎駿監督が若手時代に手がけた冒険コメディ

映画『長靴をはいた猫』DVD(東映)
映画『長靴をはいた猫』DVD(東映)

 何度観ても楽しめる、見るたびに新しい発見がある。名作と呼ばれる作品には、そんな面白さがあります。劇場アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)は、間違いなく名作アニメのひとつだと言えるでしょう。

 新作アニメ『君たちはどう生きるか』(7月14日公開予定)の完成が待たれる宮崎駿監督にとって、『ルパン三世 カリオストロの城』は記念すべき劇場監督デビュー作にあたります。2023年5月5日(金)の「金曜ロードショー」(日本テレビ系)では、『ルパン三世 カリオストロの城』をノーカット放映します。

 すでに語り尽くされた感のある『カリオストロの城』ですが、GW中にぜひ観てほしいもう一本のアニメ作品があります。それは東映動画(現・東映アニメーション)の傑作アニメとして語り継がれている、『長靴をはいた猫』(1969年)です。

 当時の宮崎監督は東映動画の若手の原画担当でしたが、『長靴をはいた猫』のクライマックスを手がけており、その一連のシークエンスは『カリオストロの城』の原型となっています。現在、Amazon Prime ビデオでも『長靴をはいた猫』は配信中です。

殺し屋に狙われる、お尋ね者のネコが主人公

 子供たちに人気だった「東映まんがまつり」の一本として、『長靴をはいた猫』は1969年の春休みシーズンに劇場公開されました。フランスの詩人・童話作家であるシャルル・ペローの同名童話を、ミュージカルタッチの冒険コメディに仕立てた作品です。

 脚本は、NHKの人形劇『ひょっこりひょうたん島』を大ヒットさせた、作家の井上ひさし氏と放送作家の山元護久氏のコンビ。演出は、のちにTVアニメ『一休さん』(テレビ朝日系)のチーフディレクターを務める東映動画の矢吹公郎監督です。

 1匹のネズミを見逃したため、猫の国のお尋ね者となった流浪の猫・ペロが主人公です。義理がたく、いばったヤツが大嫌いなペロは、心優しい人間の青年・ピエールに仕えることに。さらには魔王ルシファに連れ去られた美しいローザ姫を、ピエールとともに救出することになります。

 頭の回転の速いペロは機転の数々でピンチを切り抜け、ピエールとローザ姫を結びつけようと奮闘します。物語全編にわたって笑いをもたらすのは、ペロを追う猫の殺し屋トリオです。水森亜土さんが声をあてたチビ猫のドジぶりが、たまらなくキュートです。

 上映時間80分があっという間に過ぎていく、とてもテンポのよい作品です。ついつい「びっくりしたニャ♪」と、主題歌を口ずさみたくなってしまいます。

【画像】意外? 宮崎駿監督が20代で参加していた懐かしの有名アニメ(5枚)

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