「新作マクロスの制作はサンライズ」が意味するものとは? 期待すべき理由と一点の「懸念」
「マクロス」が「ガンダム」と並ぶ新しい柱に?

新作マクロスをサンライズが手掛けることに果たしてどのような意味があるのでしょうか。
現在、バンダイは『機動戦士ガンダム』を軸としたビジネスを展開しています。最新作である『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は最新話が放送されるたびにSNSで大きな話題となるほどの人気で、発売されるガンプラは飛ぶように売れています。しかし万が一「ガンダム」シリーズの人気に陰りが見えれば、瞬(またた)く間に転落することもあり得ない話ではありません。今は絶好調でも、数十年後はわからないのです。
バンダイには90年代後半に「たまごっち」で大ブームを巻き起こしたにも関わらず、大量の在庫を抱え巨額の赤字を出してしまった苦い経験があり、特定のコンテンツに依存する危険性をよく理解している企業でもあります。2本目、3本目の柱を求めるのは当然の流れといえるでしょう。「マクロス」シリーズを新たな柱にしたいと考えても、おかしくはありません。
むろん、権利元である「ビックウエスト」と二人三脚となるでしょうが、新作発表が行われたワルキューレ最終公演の制作をビックウエストが担当していることから見ても、両者の関係は良好と思われます。
いずれにせよ、歌とロボットに関する膨大な実績とノウハウを持つバンダイグループであれば、新たな「マクロス」を素晴らしいものに仕上げてくれるでしょう。
ただ、ひとつだけ懸念があります。これまで『マクロスF』や『Δ』を制作してきた「サテライト」が新作にどのように関わるのかが見えていないのです。サテライトの特別顧問を務め、長くマクロスシリーズの顔として活躍を続けている河森正治氏は2025年に開催される日本国際博覧会(関西・大阪万博)のテーマ事業プロデューサーに就任しており、シグネチャーパビリオン「いのちめぐる冒険」を手掛けることが明らかになっています。河森氏も今年で63歳。複数の重責を担うのは体力的にも厳しくなってきているはずです。
今まで通り河森氏がガッツリと関わった新作「マクロス」が見られるのか。それとも、文字通り新世代の「マクロス」を見ることになるのか。新たな一報を、楽しみと緊張の中で待ちたいと思います。
(ゆうむら)
※本文の一部を修正しました。(2023.6.23 12:25)