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FC版『ウィザードリィ』を「最弱冒険者」でプレイ 苦闘の果てに「一攫千金」を達成?

モンスターと宝箱の「罠」で被害続出! パーティは「困窮」

パーティの能力が低すぎて、魔法で眠らせた相手にすら攻撃が当たらないという事態に
パーティの能力が低すぎて、魔法で眠らせた相手にすら攻撃が当たらないという事態に

 迷宮の玄室に飛び込むと、アンデッドコボルト2体と遭遇。力が低いので、戦士3人は決定力がありませんが、魔法使いが攻撃呪文ハリトで援護し、勝利します。戦闘後、ほぼ確実に罠がかけられている宝箱を発見しました。盗賊ミッシャの素早さと運は「11」。盗賊としては最低レベルですから、スルーするのが最適手ですが、リアリティ重視なので「知恵」が最低の8しかない盗賊が、宝箱を無視するわけがないと考えます。

「おおっと、スタナー」

 最初の戦いでさっそく罠が発動し、ミッシャが麻痺しました。治療薬などを買うお金もなく、城に帰還するとカント寺院に運び込まれます。治療費は100ゴールド。「悪」の冒険者が、最初の冒険で罠にかかったマヌケな盗賊を「お金を集めて治療」するわけがありませんが、幸い、ミッシャ自身が107ゴールド持っていたので、彼自身のお金で治療できました。

 戦士フランカとローザスも負傷していました。このパーティに僧侶はいないので、回復魔法はありません。『ウィザードリィ』は無料の馬小屋でMPを回復し、回復魔法で負傷を直すのが基本ですが、リアリティで考えるなら、馬小屋で過ごす日常は嫌でしょう。

「知恵」が低いパーティが後先など考えるわけもなく、怪我も魔法使いのMPも有料の宿屋で回復させます。

 HP1回復に1週間……あっという間にお年寄りコースですね。で、ひと晩10ゴールド……お金が減る減る。酒場で「お金を山分け」すると、一人32ゴールドしか残りません(「お金を山分け」しないと、アイテムを入手したキャラクターだけ取り分が増えてしまうので、冒険後に、毎回山分けするのが「リアリティ」と考えました)。

 2回目の冒険でバブリースライム3匹を倒し、宝箱が出ます。盗賊ミッシャが罠を調べると「スタナー」。すでにトラウマなんじゃないかと思いつつ、何とか罠を外します。

 別の玄室で「みすぼらしいおとこ」2体と遭遇します。『ウィザードリィ』では、遭遇したばかりのモンスターは不確定名で表示されることが多く、しばらく戦闘しないと正体がわかりません。

 あれ、なんだか強い……。戦士たちがボロボロになります。敵の正体は「ブッシュワッカー」。地下1階で最強のモンスター(マーフィーズゴーストを除く)で、ヤバい攻撃力がある相手です。魔法使いたちのカティノが効いて、寝てくれたので何とか倒せましたが「寝ている相手に攻撃を外しまくる戦士たち」(敵のACは有効です)の姿が、最弱冒険者たるゆえん。敵の寝返りが酷いのかしら。

 そして宝箱はまたまた「スタナー」。ええい、ままよ。……外せた! 冒険後に宿で回復し、その後で酒場で「お金を山分け」すると、ひとりあたり41ゴールドに。命をかけて戦っても、1回の冒険でひとりあたり9ゴールドしか増えません……。

「最弱冒険者」の厳しさを痛感しつつ、3回目の冒険に出ます。バブリースライム3体に奇襲され、何もできずに回復したばかりのHPが削られます。盗賊ミッシャが宝箱の「どくばり」にかかり、かつ帰路にアンデッドコボルト5匹と遭遇。負傷しているのに、カティノでは眠らないモンスターが5匹……これは勝てないと思い、逃走しますが、逃げそこない、戦士ルディが初の犠牲者となりました。

 生き残った戦士フランカとローザスもボロボロなところに、さらに「友好的なスケルトン」が出現します。友好的なスケルトン、とは……? 自分の命が一番大事なのが「悪」ですから「戦いを避ける」を選んだのですが、戦士ローザスと魔法使いリアナが属性「善」に変わります(属性「悪」が戦いを避けるとランダムでこうなります)。

 ミッシャとリアナは兄妹という脳内設定なので、「毒で死にかけている兄ミッシャを救ってくれた、友好的なスケルトンを見て、リアナが正しい心に目覚めた」と脳内ストーリーが展開されていき、『ウィザードリィ』を実感します。

 なんとか城に逃げ帰ったものの、ルディを生き返らせるお金が、ルディ自身の所持金にありません(「お金を集める」を使えば治療できますが、リアリティ重視なので……)。仕方ないのでカント寺院に遺体を預かってもらい、新たに「善」の最弱戦士ジェラルドを作り、パーティに加えます。死んだルディには運がなかったのです。実際、最弱冒険者なので「運」は最低値だし……。

 ちなみに「善」の冒険者と「悪」の冒険者は酒場ではパーティが組めないので、迷宮内で合流します。しかし、ローグを倒して出現した宝箱を調べただけで、ミッシャが「毒針」の罠にかかります。またお前か……。城までの階段から遠い玄室にいたので、城に帰る前に盗賊ミッシャは毒で死ぬことが確定するという、悲しい現実に直面します。回復魔法があればなぁ……。

 というわけで、早くも2人目の犠牲者……。善になったリアナも「もう神なんて信じない。善になったのは気の迷いだった」とか、思うんじゃないですかね(その後、リアナの所持金でミッシャを生き返らせたのですが、また「スタナー」で寺院行きに……)。

あいつぐ犠牲者、貧乏で「蘇生」もできない…?

冒険で「死亡」または「麻痺」した冒険者を回復させるにはお金が必要。困窮したパーティはそれができないので、動けない仲間をカント寺院に預けて、次の冒険に出発する
冒険で「死亡」または「麻痺」した冒険者を回復させるにはお金が必要。困窮したパーティはそれができないので、動けない仲間をカント寺院に預けて、次の冒険に出発する

 ミッシャをカント寺院に放り込み、悪の最弱盗賊ヨハンを作成して、再び冒険に。5匹のアンデッドコボルトはかなり手ごわく、戦士たちが手ひどくやられたので城に帰還、宿代がかさみ、ひとりあたり61ゴールドまで増えていたお金が、42ゴールドに減りました。

 その次の冒険でもブッシュワッカーに殺されかけたため、宿代でさらに減って所持金がひとり12ゴールドに……。「ワードナ討伐で一攫千金」どころか、ジリ貧じゃねーか。

 ただ、ここでレベルが上がり、心持ち強くなりました。なんとかして誰かの「信仰心」を11に上げて「僧侶」に転職しなければ、冒険の継続すら困難……と実感する厳しい旅で、楽しいです。

 その後、多くの犠牲を重ね、カント寺院に多数の冒険者を放りこみつつも、戦士フランカがレベル4で信仰心11となったので、僧侶に転職します。そして魔法使いアレクセイがレベル6で知恵と信仰心が12となったので、ビショップに転職しました。

 ビショップは低レベル帯では強くないのですが『ウィザードリィ』では鑑定していないアイテムは売れないので、鑑定できるビショップがいないと集金効率が悪いのです。ちなみに通常プレイだと、鑑定のためだけに、冒険に出ない1レベルのビショップを作るのが序盤の王道ですが「無償で鑑定だけしてくれる、悪のビショップ」などいるわけがないので、リアリティの観点からできません。

 地下3階の落とし穴で全滅寸前まで追い込まれたりもしたものの、なんとかレベル9に到達し、地下4階でコントロールセンターの守備隊から「死の指輪」を入手。鑑定後、売却してひとりあたり4万2939ゴールドを入手し、「一攫千金」を果たした時には、度重なる冒険の労苦を思い出して、目頭が熱くなったのでした。

 久々の『ウィザードリィ』でしたが、「金属製のカエルの彫像が、前足を左右に振りながら『イェイ』と甲高い声で踊っている」など、海外作品らしいメッセージセンスがやはり大好きです。日本国内でオリジナルとして制作された『ウィザードリィ』も面白いのですが「魔法使いワードナ。営業中」のような、意味不明なメッセージが飛び出してくるゲームの方が、より『ウィザードリィ』らしいのではないかと改めて感じました。

(安藤昌季)

【画像】「えっ…? 厳しすぎ」これが『ウィザードリィ』最弱プレイの現実です(9枚)

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