「パンチラばっか語ってんなよ」放送40年『宇宙刑事シャイダー』なぜ作風が少し違う?
ほとんど主役の活躍だったアニーの魅力とは?

本作を語るうえで絶対に忘れてはいけないのが、「女宇宙刑事 アニー」の存在です。前述したように、その人気は作品をけん引するほどの大きなものでした。これにはもちろん、アニー役を務めた森永奈緒美さんの魅力によるところが大きいでしょう。
そしてこれも前述のとおり、これまで主演が担っていた華麗で激しいアクションを、新人ながらも体当たりで演じていたのが森永さんでした。過酷な撮影で何度も膝に傷を負っていたそうです。この森永さんの健闘が、作品の魅力を大きく底上げしたことは間違いないでしょう。
そして、よくアニーで話題になるのはミニスカートゆえの「パンチラ」です。これに関しては、大人も視聴者層に引き込みたいというスタッフの意図がありました。そうした意味ではスタッフの思惑どおり、子供より大人がTV画面に釘付けになることも多かったようです。いつの時代もセクシーヒロインは、子供から大人まで幅広い年齢層に注目を浴びるものですから。
もちろんアニーの魅力はそれだけでなく、敵の「不思議獣」や戦闘員「ミラクラー」との立ち回り、時に見せる女性らしい優しさといった部分もあってのことです。シャイダーの変身前はほとんど主役のような活躍だった、と振り返る人も少なくありません。森永さん自らが歌う挿入歌「アニーにおまかせ」が用意されているなど、あきらかにこれまでのヒロインにはなかった優遇がなされていました。
ちなみに本作終了後には、当時、朝日ソノラマが刊行していた(2008年よりホビージャパン)特撮専門誌『宇宙船』で、メインライターの上原さんが『女宇宙刑事アニーの大冒険』というスピンオフ小説も書いています。とにかく当時のアニー人気は高く、森永さんの女優としての知名度を一気に上げることになりました。
もちろん本作は子供にも人気の作品です。オモチャの売り上げも好調でした。メイン商品となるバンダイから発売された「超次元戦闘母艦バビロス」は、宇宙船、ロボット、銃に三段変形する当時としては画期的なものだったのです。特に銃形態「シューティング・フォーメーション」は、従来の変形ロボットオモチャに、なりきり要素を加えた優れモノでした。
なりきりオモチャといえば、一部で話題になった商品が、同じくバンダイの「スーパーシャイダーホーン」です。劇中で大が使うインカムタイプと、アニーが使うブレスレットタイプがセットでした。このオモチャの最大のセールスポイントは実際に使えるトランシーバー機能で、数十m程度の通話が可能です。
商品的にはトランシーバー機能のせいで高額で、子供にはイマイチ人気のなかった商品でした。しかし、本編中で使っているものとほぼ同じ形だったことから、コスプレ用に購入する人もいた商品です。当時の二十歳前後の年代は、世代的に子供の頃にトランシーバーが欲しかった人も多く、オシャレなデザインになったことから普通に購入していた人もいました。
宇宙刑事シリーズで唯一、オリジナル劇場版が作られたことからもわかるように、本作は前作から引き継いだ高い人気を維持した作品だったといえるでしょう。宇宙刑事シリーズは本作でいったん幕を閉じることになりますが、それが新たに「メタルヒーロー」というカテゴリーを誕生させることになります。
そして数十年の時を経て、宇宙刑事シリーズは2012年に劇場版新作として再誕することとなりました。これまでのリメイク作品とは違い、世界観を継承して二代目を登場させ、ヒーローのデザインを変えないという手法は、時代が変わっても古さを感じさせない宇宙刑事だからこそできた偉業かもしれません。
(加々美利治)







