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TVアニメに「キモい」主人公が増えた謎 地上波ギリギリのセリフが出てくる理由

なぜアニメのキャラがキモくなっているのか

個性的なキャラばかりの『スナックバス江』 (C)フォビドゥン澁川/集英社・「スナックバス江」常連一同
個性的なキャラばかりの『スナックバス江』 (C)フォビドゥン澁川/集英社・「スナックバス江」常連一同

 最近、いろいろな形で話題となっているTVアニメ『スナックバス江』にも、主人公ではないもののレギュラー出演している、森田というブレイバーンやライオスと異なるキモさのキャラがいます。

 スナックバス江の常連客である森田は、空気が読めずデリカシーもないスケベな男です。エセ関西弁で話す、モテなさそうな外見の肥満体型という、実社会で居場所を見つけるのが実に難しそうなキャラクターです。自己評価が低い割に、妙に学がある上に品も良いのですが、女性からわずかでも肯定的な言葉を向けられると突然おかしなことを言い出します。そのため、良い目を見られないという宿命を持っている、実に味のあるキャラです。

 それにしても、なぜ最近はこうもさまざまな形の「キモさ」を持つキャラクターが、アニメやマンガに登場するようになっているのでしょうか。

 ひとつには、マンガやアニメの文化が浸透し、複雑かつ多様なキャラクターを受け入れる土台が広がり続けていることがあるでしょう。特にブレイバーンのようなキャラは、勇者ロボットが数十年かけて熟成された結果、生まれた存在だと思われるからです。

 しかしそれ以外にも重要と思われる理由があります。それは、TV地上波のコンプライアンスが日に日に強化されているからではないでしょうか。

 かつてのTVではレイザーラモンHG(ハードゲイ)のような際どいキャラクターが当たり前のように登場し、卑猥なポーズを披露して笑いを取り、人気を獲得していました。しかしいまでは「ハードゲイ」という言葉が使えなくなり、HGは「ホットガイ」の略称となっています。また、いまでも小島よしおは海パン一丁で芸を披露し、とにかく明るい安村は考えぬいたポージングで履いているパンツを見せないようにする芸で一世を風靡(ふうび)しています。ですが、このふたりはあくまでもパンツを使った「裸芸」であり、性差別とは思われないラインを踏み越えないようにしています。タレントが「キモい」と思われるラインを越えてしまうと、それだけで大きなダメージになりかねない時代が来てしまったのです。

 その点、アニメも規制は年々厳しくなっていますが、現実と違い男女を融合するなどの力技で批判を回避することもまだ可能な状況で、「キモい」を生み出し、表現しやすくなっています。

 現実の規制が厳しくなればなるほど、「キモい」の表現はアニメやマンガの独壇場となっていくのかもしれません。

(早川清一朗)

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