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『Zガンダム』パプテマス・シロッコとは何者? 物語を「難しくした」希代の悪役

『Ζガンダム』はシロッコが敗れる物語

自身が開発した専用モビルスーツ「ジ・O」に搭乗した 画像は「HGUC 1/144 ジ・オ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
自身が開発した専用モビルスーツ「ジ・O」に搭乗した 画像は「HGUC 1/144 ジ・オ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

「戦後の地球を支配するのは女だと思っている」という思想を持っていることからか、シロッコは女性パイロットを側に置く傾向があり、ティターンズの若手パイロットである「サラ・ザビアロフ」を特に気に入っていました。なお、小説版ではシロッコが天涯孤独の身であることが明かされており、自身と同様に身寄りのいないサラを妹のようにかわいがっていましたが、終盤では男女の関係を意識しています。

 また、元々はエゥーゴ所属だった「レコア・ロンド」は自身を襲った体験や、シャアこと「クワトロ・バジーナ」とのすれ違いなどもあり、シロッコの強烈なカリスマ性に惹かれて、ティターンズに寝返ります。シロッコも有力なパイロットとしてレコアを扱っており、自ら設計したモビルスーツである「パラス・アテネ」を与えています。

 その野心的な振舞いから、ティターンズ上層部からは絶えず警戒されており、男性との関係性はそれほど良くはありませんが、例外的に「ヤザン・ゲーブル」とはウマが合うようです。ヤザンが部下となった際には、最新鋭MSの「ハンブラビ」を与えて厚遇を約束しています。

 物語の最終盤では、アクシズの旗艦「グワダン」内で行われた「ハマーン・カーン」、「ジャミトフ・ハイマン」、シロッコによる三者会談の際、クワトロの乱入によって生じた混乱に乗じてジャミトフを暗殺。レコアによる「バスク・オム」の抹殺にも成功してティターンズを掌握し、事実上のリーダーとなりました。

 コロニーレーザー「グリプス2」を巡る最終戦闘では、専用モビルスーツの「ジ・O」に搭乗し、ハマーンと共にクワトロの「百式」を追い詰めますが、レーザーの発射阻止には失敗し、ティターンズは艦隊の多くを失ってしまいます。撤退を余儀なくされたシロッコは、ジュピトリスの目前で「カミーユ・ビダン」の「Zガンダム」に遭遇し、圧倒します。しかし死者の意志を吸収したZガンダムが引き起こした超常現象によって、ジ・Oの制御が失われてしまいます。さらに、ウェイブライダー形態に変形したZガンダムの突撃を受けて絶命寸前となりますが、シロッコは最後の執念でカミーユの精神を崩壊へと導きました。

 最強ランクのパイロットであるカミーユやクワトロ、ハマーンと互角以上に戦い、野心とカリスマで物語を動かし続けた、希代の悪役であるシロッコの生きざまと最期は、「機動戦士ガンダム」シリーズでも際立って印象的なものです。果たして、彼の野心の先には何があったのでしょうか? もしシロッコが生き残り、言葉通り戦後の支配は女性が行うとしたら、彼はどこに身を置こうとするのでしょう。案外、まだ見たことのない外宇宙を目指した「旅」なのかもしれません。

(早川清一朗)

【画像】え、なんで? これがシロッコを愛し、命を散らした美女たちです(4枚)

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