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『SHIROBAKO』放送で志望者が増えた! アニメの業界描写はどこまでリアル?【この業界の片隅で】

アニメ業界の片隅で生きる著者・おふとん犬が、業界の片隅で拾ったさまざまな話題を取り上げて解説します。第8回は、2月29日から新作劇場版が公開される『SHIROBAKO』の話。登場人物のひとりである、脚本家志望の今井みどりにスポットを当て、作中のアニメ業界の描写についてお話します。

「ペラ5枚で書いてきて」は、実際に行うトレーニング

『劇場版SHIROBAKO』 (C) 2020 劇場版「SHIROBAKO」製作委員会
『劇場版SHIROBAKO』 (C) 2020 劇場版「SHIROBAKO」製作委員会

『SHIROBAKO』は、アニメ業界を舞台に繰り広げられる人間模様を爽やかに描いたテレビアニメシリーズ。2014年から2015年にかけて放映されて大きな話題になり、2020年2月29日からは待望の新作劇場版『劇場版SHIROBAKO』が公開されます。『SHIROBAKO』の放映中から放映後しばらくの間、主人公の宮森あおい(CV:木村珠莉)と同じ制作進行を志望する求職者が増え、志望動機を訊かれた彼らが一様に「『SHIROBAKO』に感動したからです!」と答えたという逸話もあります。それほどまでに見る者の心を動かす、名作と呼ぶべきタイトルでしょう。

『SHIROBAKO』の業界描写はどこまでリアルか? というのも、アニメファンの間では、とかく話題になるところです。作中でも言及されるように、アニメ制作は常に多数の人が絡む共同作業。担当する仕事のエキスパートでもない限り、自分の職域とはまるで異なる人たちの現実がどうかなんて、生半可に語れるものではありません。ですので、筆者がよく知っている範囲のみで言及します。「りーちゃん」もしくは「ディーゼルさん」こと、今井みどり(CV: 大和田仁美)のシナリオライター修業の描写は、かなりリアルです。

 みどりは、かつて宮森たちと自主アニメを制作し、将来も一緒にアニメを作ろうと誓い合った仲間のひとり。大学生活を送りながら、シナリオライターへの道を模索しています。そんな彼女が、あるきっかけで、宮森の担当する作品の脚本家・舞茸しめじ(CV:興津和幸)と知り合います。弟子入り志願は断られてしまうものの、根負けした舞茸しめじから、修業のための課題を出されます。それが、「指定のモチーフを用いた場面をペラ5枚で書いてきて」というものでした。

 この場面を目にした途端、「あー、やるやる!」と、思わず独り言を口にしてしまいました。ライター志望の方や若いライターの方は、実際にこのトレーニングを行うからです。私がよく知っているのはペラ10枚で行うもので、5枚で課す舞茸しめじは、かなり厳しい先生だなという印象です。長いものより短いものの方が、技術的には難しいからです。

 その難しい課題をくじけずこなしてくるみどりは、ガッツも素質も相当あるように思えます。彼女はそう遠くない将来、実際に脚本家として活躍するようになるのではないでしょうか。

【画像】アニメ業界で夢を追う、5人の女の子たち(6枚)

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