58年前『ウルトラマン』3話「科特隊出撃せよ」が放送 初めて「カラータイマー」が光るピンチが語られる
活動時間が「3分間」と劇中で明言されたのはいつ?

ところで、ウルトラマンの活動時間が3分間であることは令和の子供たちすら知っている設定ですが、上記ナレーションにそのような説明はありません。実はこの「ウルトラマンの活動時間は3分間」という設定は『ウルトラマン』の劇中には登場しません。TBSの広報資料や少年雑誌に記載された情報が子供らの間で広く共有されていたのです(活動時間が3分間と明言されるのは『帰ってきたウルトラマン』第1話が最初)。
ちなみに『ウルトラマン』にカラータイマーが導入された理由に関しては複数挙げられています。番組予算を管理するためお金のかかる特撮シーンに時間制限を設けるため、またウルトラマンに時間的制約を設けてドラマを盛り上げるため、などいずれにせよ『ウルトラマン』という番組制作においても重要な役割を担っていたことがわかります。
さて、ウルトラマンをデザインされた彫刻家の成田亨さんがカラータイマーの導入には強い抵抗感を示していたことはファンの間ではよく知られています。実際、ウルトラマンの変身カット(いわゆるぐんぐんカット)ではカラータイマーが付いていません。ここからもカラータイマーが急遽、盛り込まれたことがうかがえます。
成田亨さんの想いは心に刻みつつ、結果としてこの「カラータイマー」は『ウルトラマン』というドラマに欠かせないものとなりました。最終回の第39話「さらばウルトラマン」ではとうとう恐れていた事態が発生します。宇宙恐竜ゼットンが、ウルトラマンが放つ必殺技をことごとく跳ね返し、ついにはカラータイマーを破壊してしまったのです。この時の子供らの絶望感は科学特捜隊の隊員たちと完全にシンクロ。虚構と現実を超越した一体感を生んだのでした。
ここまで「カラータイマー」が果たしてくれた役割を解説してきましたが、最後にもっとも実用的なものを。カラータイマーは保護者にとっても極めて重要な役割を果たしてくれるものでもありました。ご存じのように、子供というものは気づけばウルトラマンに変身しており、勝手に戦いを挑んでくる習性を持ちます。
ところが保護者は怪獣と違い、爆発できません。そうなると、戦いには終わりがないのです。その格闘に終止符を打ってくれるのがカラータイマーという設定で「ほら、点滅しているよ」という指摘は実に有効的でした。
ピンチを知らせるカラータイマーは番組予算、ドラマ構成、そして保護者の体力、あらゆるピンチを救ってくれてもいたのです。
(片野)

