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値段が高い!FC版『信長の野望・全国版』 カセットの「大きさ」も子供心に刺さる

地理と日本史は『信長の野望』で覚えた

Windows用ソフト『コーエー定番シリーズ 三國志II』(コーエー)
Windows用ソフト『コーエー定番シリーズ 三國志II』(コーエー)

 借りてきた『信長の野望・全国版』を自分のファミコンに刺し、プレイを開始した筆者が選んだ大名は四国の「ちょうそかべ」でした。愛読していたファミコン雑誌に「初心者はちょうそかべがいい。周りに強い敵がいないし、忍者を雇って暗殺を繰り返せば四国は簡単に統一できる」という内容の記事が書かれていたからです。

『信長の野望・全国版』は、今まで筆者がプレイしていたような、キャラクターを動かすゲームとは何もかもが違っていました。年貢を取って兵糧を調達し、相場が高い時に米を売って資金を稼ぎ、忍者を雇って近隣の大名を暗殺して空白地を作り、なだれ込んで占領して領土を拡大。開墾をして石高を上げ、治水を行って民忠を上げて一揆を防ぐ。兵士を雇用して武器を買い武装度を上げ、訓練をして訓練度を上げ精強な軍を作り出す。

 設定されている数字の一つ一つが意味を持ち、面白さのバランスを構成しているゲームがあるのだと、筆者に初めて教えてくれたのが『信長の野望・全国版』でした。年貢はどれくらい取れるのか。米の相場はどのくらいの時に買って、どのくらいで売ればいいのか、攻略本を参考にしながら試行錯誤して進めていくなかで自分なりの攻略法を編み出し、数週間でちょうそかべでの全国統一を成し遂げたのです。

 その後もさまざまな大名で全国統一を繰り返したおかげで、日本の地理や大名の名前も頭に入り、日本史に詳しくなれたおかげで多少、歴史の成績も良くなりました。同じ経験をした方も多いのではないでしょうか。友達にカセットを返した後も、戦略シミュレーションの面白さを忘れられなかった筆者は、数年後に買ってもらったパソコンで『三國志II』をプレイし、ずぶずぶとシミュレーション沼にはまっていきました。今も新作が出ればプレイし続けていますが、最近の作品は情報量が多すぎるので、『信長の野望・全国版』くらい手軽にプレイできるとありがたいかなとも思います。

あたらしい げーむ ですか?
(Y/N)? ■

(早川清一朗)

【画像】PC版、家庭用ゲーム機でもファンが多い『信長の野望』シリーズ(5枚)

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