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値段が高い!FC版『信長の野望・全国版』 カセットの「大きさ」も子供心に刺さる

1988年3月18日、ファミコン版『信長の野望・全国版』が光栄(現:コーエーテクモゲームズ)から発売されました。ファミコンカセットにしては高い価格設定から、当時の子供たちを驚かせましたが、その面白さから人気作に。子供たちが地理と日本史を覚えるきっかけにもなりました。

定価9800円、「大きい」カセットに驚かされる

ファミコン版『信長の野望・全国版』(光栄)
ファミコン版『信長の野望・全国版』(光栄)

 1988年3月18日、ファミコン版『信長の野望・全国版』が光栄(現:コーエーテクモゲームズ)から発売されました。新品のカセットが3900円から6000円程度で売られていた時代に9800円と値段が高く、当時の子供たちを驚かせましたが、その面白さから人気作となりました。「ちょうそかべ(長宗我部)」で「あんさつ(暗殺)」を繰り返し四国統一するのが日課だったライターの早川清一朗さんが当時の記憶を語ります。

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 ファミコン版『信長の野望・全国版』のことを初めて知ったのは、多分ファミコン雑誌のどれかに掲載されていた特集記事か広告だったと思います。当時の筆者は戦略シミュレーションゲームがどんなものなのか全く知らなかったので、ゲームの内容は検討もつきませんでしたが、よーく覚えているのは定価が9800円だったことでした。

 ファミコンのカセットの定価と言えば3900円から6000円くらいが相場です。大量に作られすぎたカセットが値崩れを起こし、『グラディウス』や『スターラスター』などの面白いゲームが980円でたたき売られていることなど日常茶飯事。どんなゲームかもよく分からないのにお金を出す気にも親にねだる気にもまったくならず、そのまま記憶の片隅に放り込んでから数か月後、友人宅を訪れた筆者は偶然『信長の野望・全国版』に出会うことになったのです。

 最初に見たときの感想は「何このカセット! でかっ!」だったのをよく覚えています。
他のカセットの倍ほどの大きさがある『信長の野望・全国版』がファミコンに刺さっているその姿は、威厳すら漂わせていました。今改めて考えてみれば、カセットの外装に使用する金型は専用のものが特注されていたはず。光栄がファミコン参戦第一作である本作に、どれだけの情熱をつぎ込んでいたのかが見て取れます。

 友人宅では軽くプレイさせてもらっただけだったのですが、カセットの大きさは子供心に強い印象として刻み込まれました。その日以来、ファミコン雑誌の特集記事を読み漁り、持っている人を探しては貸してくれるよう頼み込み、しばらくしてようやく借りることができたのです。

【画像】PC版、家庭用ゲーム機でもファンが多い『信長の野望』シリーズ(5枚)

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