「やっぱえっちぃかったん?」あの頃遊べなかったPCゲー『ウイングマン』を振り返る!
『ウイングマン2』はすぎやまこういちサウンド! 戦闘シーンも全画面に進化

そして2作目の『ウイングマン2 キータクラーの復活』(1986年発売)は、シリーズ3作の頂点といえる佳作です。ストーリーはキータクラー撃破後、「帝王リメル」から送り込まれた刺客を探すというもので、前作の続編となっています。
なにしろ本作は、故 すぎやまこういち先生のゲーム音楽デビュー作です。当時エニックスから発売された『森田将棋』にハマったすぎやま先生がアンケート葉書を送り、それを見た千田幸信さん(「ドラゴンクエスト」シリーズ第7作までのプロデューサー)から電話が掛かってきて……というエピソードは有名です。
勇者、もといヒーローの旅立ちを思わせるオープニング、心地いいコーヒータイム、そしてエンディングの数曲ですが、いずれも聞けば「すぎやまサウンドだ!」と分かることでしょう。ちなみに、ゲーム中で「リロ」に楽譜を見せると「すぎやまこういちせんせいがつくったきょくですのね」と内輪ネタもあります。
今作ではグラフィックも洗練されて、桂正和先生の絵柄に近づきました。肌色もかなり多めであり、ゲーム進行上も「とる」「せいふく」や「みずぎ」といった入力が必要になるなど、セクハラ成分マシマシです。
さらに食堂やテニスコートなど8か所の場所が「どこに、どのキャラがいるか」込みで表示され、無駄足を踏まずに済むようになっています。
そしてコマンド入力方式も進化し、カーソルで画面上にあるモノを直接指定できるようになりました。今では「それ、当たり前じゃね?」という要素ばかりですが、当時のADVとしては画期的だったのです。
好評だった戦闘シーンも、全画面で迫力あるもの(当時比)となりました。ウイングマンも敵も空間を飛び回り、まるで後の『サイキックフォース』(タイトー、1996年)のようです。なにより、トドメに必殺技「デルタエンド」を使えるのがポイント高いのです。また、聞き逃しそうですが、音声合成で「チェイング」と喋っている(一瞬だけ)のも、当時としては超頑張っていました。
3部作のフィナーレを飾る『ウイングマンスペシャル さらば夢戦士』(1987年発売)は、ザックリいえば「帝王ライエルを倒す」ということで原作のタイムラインにも沿っていますが、ウイングガールの面々とたわむれるシーンが多く、番外編の色が濃くはあります。
また、グラフィックは前作までのセル画的なタッチからイラスト風のこってりした感じとなり、人によっては好みが分かれるでしょう。戦闘シーンも、2作目の全画面から1作目の狭い表示領域に限られる方式へ逆戻りしており、ちょっと残念な仕上がりとなっています。
これ以降、『ウイングマン』のゲームは登場していません。原作が1983年から1985年、TVアニメが1984年から1985年だったため、ファミコン(1983年発売)以降のゲーム機とは縁が薄かったようです。今回の実写化をきっかけに、Nintendo SwitchやPlayStation 5など現行ゲーム機向けのゲーム化も実現することを期待したいところです。
(多根清史)

