完結『リュウソウジャー』と恐竜戦隊の歴史。影響は『ジュラシック・パーク』から?
「架空の恐竜」も登場。異色な編成の『リュウソウジャー』

3作目の恐竜戦隊は『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013~2014年)です。定番モチーフであるティラノサウルス、トリケラトプス、プテラノドンの3体に加えて、パラサウロロフス、ヴェロキラプトル、ステゴサウルスがメイン6人のモチーフに選ばれました。プレシオサウルスがモチーフのキョウリュウバイオレットと獣電竜プレズオンが登場していますが、首長竜がモチーフのキャラクターは今回が初登場です。
『キョウリュウジャー』は恐竜戦隊4作品のなかで女性戦士のモチーフにトリケラトプスが選ばれている唯一の作品です。ちなみに『キョウリュウジャー』とメインスタッフが重なる『仮面ライダーW』(2010年~2011年)には、女性が変身するトリケラトプスの怪人が登場していました。
そして現時点における恐竜戦隊の最新作である『騎士竜戦隊リュウソウジャー』ですが、定番のティラノサウルスとトリケラトプス、プテラノドンはもちろん登場。過去3作品すべてに登場した竜脚類ブラキオサウルスが登場しない一方で、タイガーサウルスやニードルサウルスなどの架空の恐竜が登場したりと、過去の恐竜戦隊とは一風変わったモチーフの選定がなされています。
前作『キョウリュウジャー』と『リュウソウジャー』の間に、映画『ジュラシック・ワールド』(2014年)、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年)が公開しているため、やはり『リュウソウジャー』にはその影響が見られます。
一番わかりやすいのが、カナロ/リュウソウゴールドの相棒の騎士竜モサレックス。モサレックスのモチーフは大型の海棲爬虫類モササウルスです。モササウルスは『ジュラシック・ワールド』に登場して強いインパクトを残したキャラクターであり、このモチーフの選定は『ジュラシック・ワールド』を意識したものでしょう。
また『ジュラシック・ワールド』には、遺伝子操作によってさまざまな恐竜の特徴を併せ持つインドミナス・レックス、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』にはインドラプトルと、架空の恐竜が登場していました。『リュウソウジャー』にも、パキケファロサウルスとカンガルーの特性を持ったパキガルー、ティラミーゴ(ティラノサウルス)とプテラードン(プテラノドン)が合体した騎士竜プテラミーゴなど、さまざまな恐竜や動物の特徴をあわせ持ったキャラクターが登場しています。
いつの時代も「恐竜」は、子供たちの憧れの対象なのです。また近い未来に新たな恐竜戦隊が現れることでしょう。その時には一体どんな進化を見せてくれるのでしょうか。
(森谷秀)
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