『仮面ライダーBLACK』変身シーンと連動した「変身ベルト」 あれどう動いていたの?
まさかのテレビパワーを起動させたあの必殺技

当時の子供たちのなかには、TVから不思議な電波か信号が発信されていたと考えていた人もいたそうです。ところがオモチャの説明書にもあるように、録画したビデオを再生してもテレビパワーは起動しました。つまり秘密は電波などにはありません。
テレビパワーの秘密、それは映像のなかで白と黒の点滅した光が発せられることにあります。これを各オモチャに搭載された光センサーが受信し、各ギミックが起動するのでした。
「光の点滅」ということで、とある事故に思い当たる人もいることでしょう。1997年12月16日に放送されたテレビアニメ『ポケットモンスター』第38話で発生した、俗に「ポケモンショック」と呼ばれる放送事故のことです。この時に問題視された「パカパカ」というアニメーション技法と同様の、激しく点滅する画面上の光を受信することで、テレビパワーは起動していたのでした。
余談になりますが、筆者の知人は当時、ほかのTV番組でもテレビパワーが起動しないか、スイッチをオンにしたままTVの前に常時置いておいたそうです。結果、TVアニメ『ドラゴンボール』の「かめはめ波」でも起動したとか。
ポケモンショック以降の放送事情から考えると、パカパカを利用したオモチャというのは、現代では不適切となります。そういった意味で、現在では同様のオモチャは再現不可能ということになるでしょうか。
もっともテレビパワーはそれほどヒットしたオモチャとはなりませんでした。後続も『じゃあまん探偵団魔隣組』(1988年)のオモチャ「ジゴマ探知機」が発売されたくらいです。原典に当たる『キャプテンパワー』も2期が予定されながら、その企画は中止になりました。
そういった点でテレビパワーは後続商品が出ることもなく、時代の波のなかに消えていくことになったのです。しかし、それから30年以上経った頃にまさかの復活を遂げています。
それが『仮面ライダーBLACK』のリメイク作品『仮面ライダーBLACK SUN』(2022年)の制作に合わせて、クラウドファンディング用に制作された「テレビパワー 変身ベルト キングストーン」でした。しかも「仮面ライダーBLACK」のライバルキャラクターである「シャドームーン」の使用する「テレビパワー 変身ベルト シャドーチャージャー」まで販売されています。共に現在の技術で安全性は保障されているようでした。
ちなみにテレビパワーに対応した当該の場面は、現在の安全基準に沿う形で明度を下げて放送されることが定番となっています。当時のテレビパワー対応のオモチャが、現在のTV放送で稼働するかどうか、筆者は手元にテレビパワー対応オモチャがないので、調査することはできませんでした。
(加々美利治)



