『仮面ライダーBLACK』変身シーンと連動した「変身ベルト」 あれどう動いていたの?
おなじみ『仮面ライダーBLACK』の、当時発売されていた「変身ベルト」には、TV放送と連動して動作するギミックが組み込まれていました。あれはどういう理屈で動作していたのでしょうか。実は現代では不適切な技術になるかもしれません。
もともとは海外の技術だったテレビパワー

『仮面ライダーBLACK』が放送されていた1987年当時、変身シーンに身につけた「変身ベルト」が連動し、TVの前でいっしょに変身していたという元キッズはいらっしゃるでしょうか。
連動するわけは、昭和の末期に販売されていた、TV番組と連動する「テレビパワー」なるギミックが組み込まれていたからです。TVの前に置いておくだけで勝手に動くオモチャたちは、はたしてどのような理屈で動作していたのでしょうか。
テレビパワーとは、もともとはアメリカのマテル社が開発したものです。このテレビパワーのシステムを使った最初の作品が、日本でも放送されたTV特撮番組『キャプテンパワー』(1987年)でした。対応するアイテムは、国内ではバンダイが輸入販売しています。
この関係から、日本国内でのテレビパワー商品の権利を得たバンダイが、オモチャとして導入した作品が『仮面ライダーBLACK』(1987年)でした。
「仮面ライダー」シリーズのオモチャといえば、当時も現在も「変身ベルト」がやはり中心となるものです。そこから冒頭にふれた、テレビパワーの機能を搭載した「テレビパワーDX(デラックス)変身ベルト」が商品化されることになりました。
もちろん、この他にもテレビパワーを導入したオモチャはありました。そのひとつが「テレビパワー DX変身仮面ライダーBLACK」です。こちらは30cmほどのフィギュアで、テレビパワーによって変身ポーズをとることができるというスグレものでした。
もうひとつが仮面ライダーBLACKの搭乗するスーパーマシンのアイテム、「テレビパワー DXロードセクター」です。こちらにはテレビパワーにより自動的に走り出すというギミックが搭載されていました。
これらの商品はTV番組と連動させることのできないときでも、スイッチの切り替えにより手動でギミックを起動することができます。
また各テレビパワー対応のオモチャには、べつのオモチャによってギミックを作動させる機能も搭載されており、TVがなくてもそれぞれのオモチャだけで遊びが完結できるようにもなっていました。
これらのギミックを起動させるテレビパワーとはなんなのでしょうか。聞くところによると、当時の子供たちには不思議な現象だったようです。当時、成人以上だった筆者はもちろん知っていました。実はこのテレビパワー、現在では不適切だといわれかねない技術が使われていました。