『魔界村』騎士、攻撃を受けるとパンツ一丁に 序盤から「赤い敵」に大苦戦の苦い思い
最強・レッドアリーマー

ファミコン版『魔界村』はグラフィックや音楽こそファミコン相応のものでしたが、ゲーム性そのものは、アーケード版とそれほどそん色がないものに仕上がっていたと思います。結構シビアなタイミングで地面から湧き出してくるゾンビと上から飛んでくる敵弾に苦戦しながら墓地を突き進んでいくと、アーケード版とほとんど同じ状況で、アレが登場したのです。
そう、レッドアリーマーが。
「確かゲームセンターでは後ろにジャンプしながら攻撃して倒していたはず」などと他の人のプレイを思い出しながら立ち向かったものの、タイミングがシビアでなかなかうまくいかず、あっという間にやられてしまいます。
それでもあきらめずにバックジャンプのタイミングを少しずつ変えたりして、どうにかレッドアリーマーを突破したときは、思わず「やった!」とガッツポーズをとった覚えがあります。
とはいえレッドアリーマーは単なる序盤の敵にすぎません。『魔界村』の真の恐ろしさはこんなものではなく、どれほど頑張っても2面の道中を攻略できなかったのでその日はそのままお開きになりました。
その後も何度かファミコン版とアーケード版をプレイする機会がありましたが、心なしかアーケード版の方が敵の出現タイミングが分かりやすく、楽に感じたというのが本音です。
ただ、500円という破格の値段で売られていたとはいえ、ファミコン版もそれほどひどいゲームと言うわけではなく、十分遊びごたえがあるゲームだったことは間違いありません。おそらくは大量に作りすぎたのではないでしょうか。
この500円の『魔界村』には筆者のごく近くでの後日談があります。まだ家庭用ゲーム機を使っての商売が確立していない時代には中古ファミコンショップや駄菓子屋さんが、さまざまなオリジナルのサービスを提供していました。筆者の家の近所にあったあるお店では3本のカセットを1本の新品のカセットと交換していたのですが、あるタイミングで大量の『魔界村』が持ち込まれ、早々にサービスを終了してしまいました。
家庭用ゲーム機黎明期に起こった、ほんのささやかなドタバタエピソードです。
(早川清一朗)