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「ウルトラヒロイン」桜井浩子さんが激怒? 「宇宙一美しい怪獣」のはずが「どう見たってワニ」

ウルトラシリーズの元祖ヒロイン、桜井浩子さんは一度、監督に大クレームをつけたことがありました。それは、「ワニ」のせいなのです。

「どう見たってワニよ」

フジ・アキコ隊員を演じた桜井浩子さんが表紙の書籍「ヒロコ ウルトラの女神誕生物語」(小学館)
フジ・アキコ隊員を演じた桜井浩子さんが表紙の書籍「ヒロコ ウルトラの女神誕生物語」(小学館)

 女優の桜井浩子さんは、『ウルトラQ』では「江戸川由利子」役として、『ウルトラマン』では「フジ・アキコ」隊員役として出演し、女性の演者が少なかった当時の特撮現場において、まさに元祖「ウルトラ」ヒロインとして大活躍でした。

 当時、東宝の専属女優だった桜井さんは、『ウルトラQ』第17話「1/8計画」では小さくされたり、『ウルトラマン』第33話「禁じられた言葉」ではメフィラス星人の手によって、巨大化させられたりと、役柄上なかなか大変な目に遭ってきました。特に、「巨大フジ隊員」は「怪獣」の図鑑に掲載されています。

 ご本人も複雑な想いを抱えてきたようで、2005年放送の『ウルトラマンマックス』に、教授役でレギュラー出演した際は、女性隊員役の後輩女優さんたちに、「巨大化しない?」なんて話を持ちかけたこともあったそうです。桜井さんとしては「巨大隊員」の後輩が欲しかったとのことで、この願いは2022年公開『シン・ウルトラマン』で、長澤まさみさん演じる「浅見弘子」が巨大化したことで、果たされました。

 さて、これまで作品のために多くを受け入れてきた桜井浩子さんですが、そんな彼女も「さすがに激怒(?)」した場面があります。

 それは1974年放送『ウルトラマンレオ』にゲスト出演した、第30話「日本名作民話シリーズ! 怪獣の恩返し 鶴の恩返しより」の回のことです。タイトルが示す通り、昔話「鶴の恩返し」をモチーフにしたこのエピソードでは、「宇宙で一番美しい」という設定の「宇宙鶴ローラン」が登場します。そして、桜井さんはそのローランの、人間形態を演じたのです。

『ウルトラQ』からの長い付き合いである、満田かずほ監督から「(ローランは)とっても可憐で可哀想な役」と言われたので引き受けたものの、ローランの姿を知った桜井さんは、「この期に及んでまだ騙しますか!?」と監督に声を荒げてしまった、とのことでした。

 この「宇宙で一番美しい」はずのローランの造形は、桜井さんの言葉を借りれば、「どう見たってワニ」なのです。実際、怪獣としてのクオリティーの良し悪しではなく、美しさの尺度でローランを評価することは難しいでしょう。ちなみにローランは、木目憲悟さんのデザイン画だと「獣人の女性」といった雰囲気で、比較的気品のある姿をしています。着ぐるみ造型の段階で、なぜか「ワニ」になってしまったのでした。

 もちろん、桜井さんの「激怒」は冗談の範囲ではあります。ただ、ウルトラシリーズのなかで、これまで小さくされようと、大きくされようと、受け入れてくれたウルトラヒロインですら驚いた、「ワニ」のような造形は本編で確認してほしいところです。

 桜井さんには今後、ご自身も認める「美しい怪獣」の人間形態を演じてほしい、と勝手ながら願っています。

参考書籍:ベストムックシリーズ『語れ! ウルトラ怪獣』(ベストセラーズ)

(片野)

【画像】え…っ? 「宇宙一美しいかと言われると…」 こちらが桜井浩子さんが「ワニ」だと思ってしまったウルトラ怪獣です

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