あだち充『みゆき』最終的にどっちのヒロインと結ばれた? アニメ勢は知らない「切ないラスト」
アニメとマンガ、ラストはどう違う?

しかし、同時浪人のあたりも含め、『みゆき』後半のエピソードはアニメ化されておりません。その理由は単純で、原作が完結する前にアニメが先に終わってしまったからです。
それでもアニメのラストエピソードにあたる37話では、非常にショッキングな展開が起こります。海外に住むふたりの父親である「若松和人」が日本に立ち寄ると手紙をよこすのですが、鹿島みゆきとデートに出かけていた真人はそれに気付かず、若松みゆきがひとりで出迎えに行ってしまうのです。てっきりみゆきが海外に行ってしまうと勘違いした真人は絶望しますが、みゆきは父親に会いがてら土産物をもらってきただけでした。
しかしその日の夜、父親が乗った飛行機が行方不明となったことを知ってふたりは絶望し、数少ない家族としてのぬくもりを求めて抱き合います。父親も無事に発見され、ふたりはまた日常生活に戻っていくところで物語は幕を閉じました。
対して原作は落としどころとしては正道ではありましたが、鹿島みゆきがあまりにも気の毒な結末を迎えました。物語終盤に登場した真人の幼なじみである日本代表サッカー選手「沢田優一」が一時帰国の際に若松家に居候し、若松みゆきに一目ぼれしてしまうのです。当初は沢田もみゆきを妹扱いしようとしましたが無理だと感じ、転居。改めて結婚を申し込んだところ、思い悩みながらもみゆきは受けてしまったのです。
苦しみ抜いた真人は自分が本当に愛しているのは妹であると気付き、披露宴のあいさつで涙ながらに告白を行ないました。沢田も真人の気持ちを受け止め、最後に決めるのはみゆきだと呟きましたが、結果は最初から分かっていたようでした。披露宴は沢田が真人のために用意した、ラストチャンスだったのです。
そうして若松兄妹は海外で父親に見守られ結婚し、日本の知人へ葉書を送りました。そんなある日、傷心旅行で北海道へ出かけた鹿島みゆきの前に、偶然沢田が現れます。互いが微笑みのような、苦笑いのような笑みを浮かべ、物語は終わりを告げたのです。
(早川清一朗)



