あだち充『みゆき』最終的にどっちのヒロインと結ばれた? アニメ勢は知らない「切ないラスト」
あだち充先生の代表作『みゆき』は、原作とアニメ版でラストシーンが大きく異なることで知られています。アニメが先に終了したため独自の結末を迎えた一方、原作では複雑な三角関係に決着がつけられました。なぜこのような違いが生まれたのでしょうか。
三角関係のラストはどうなった?

あだち充先生が1980年から84年にかけて「少年ビッグコミック」で連載した『みゆき』は、単行本類計2000万部を売り上げる大ヒット作です。1983年にはTVアニメ化もされ「H2O」の「10%の雨予報」や「想い出がいっぱい」などの名曲を世に知らしめました。
しかし、ある理由から原作とアニメではラストが異なっています。なぜ違うのでしょうか?
『みゆき』の連載がスタートした1980年頃の週刊少年誌といえば、スポ根、ギャグ、SFなどが多く恋愛作品はまだ珍しいものでした。劇画調の作品も多いなか、柔らかなタッチの線と特別な力を持たない学生たちの恋愛模様を描き、マンガの世界に新鮮な風を吹き込んできたのがあだち充先生でした。
同時期に「週刊少年チャンピオン」で小山田いく先生が連載された『すくらっぷ・ブック』と並び、『みゆき』は時代の変化時に現れる特異点だったように思えます。
さて、『みゆき』のストーリー展開は主人公の「若松真人(わかまつ まさと)」と血のつながらない妹の「若松みゆき」、そして才色兼備の「鹿島みゆき(かしま みゆき)」の三角関係が中心となります。真人は妹のみゆきは血がつながっていないことを知らないと思っており、表面上はとても仲の良い兄妹として振る舞いながらも、心の中ではことあるごとに高まっていく愛情を持て余していました。
一方、妹の若松みゆきは6年間日本を離れていましたが、再会したときから真人に好意を持っており、真人の恋人である鹿島みゆきに対しては「今まで出会った中で一番の女性」と評価しており、唯一の欠点を「真人に惚れているところ」と考えているなど、複雑な気持ちを抱えていたのです。
鹿島みゆきも真人と若松みゆきの仲の良さに嫉妬しつつも、匂わせる描写はほとんどなく、他の同級生を含めてちょっとハプニングの多い日常生活を送りつつ、真人への想いを募らせていきました。鹿島の真人への思い入れは非常に強く、大学志望校のレベルを真人に合わせて落とし、合格したものの真人が不合格だったため入学せずに一緒に浪人するほどのものでした。



