ウルトラマンもセブンもタイトルはギリギリまで「レッドマン」だった 衝撃すぎる当時の事情とは
『ウルトラセブン』は、企画名が決まっても、『レッドマン』という仮タイトルで制作が進められました。いったい、なぜでしょうか?
『レッドマン』という仮タイトルが行き着いた「通り魔」的ヒーロー

日本における特撮ヒーロー番組の礎を築いた『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』両巨塔の、企画段階のタイトルをご存じでしょうか。どちらも複数ありますが、共通しているのが『レッドマン』です。
まずある程度知られた話ですが、『ウルトラマン』の最初期は、『科学特捜隊ベムラー』というタイトルでした。のちに「ウルトラマン」となる存在も、まるでカラス天狗のような姿をしています。
そこからさらに企画は紆余曲折を経て、私たちの知る『ウルトラマン』になったのです。この紆余曲折の間にあった仮タイトルが、『レッドマン』でした。
『ウルトラマン』の仮タイトルに『レッドマン』があるのは理解できますが、少しだけ違和感があるのが『ウルトラセブン』です。『ウルトラセブン』は、すでに『ウルトラQ』『ウルトラマン』と、『ウルトラ』シリーズが国民的な人気を獲得した時期に企画されました。
なぜそのタイトルが、再び『レッドマン』に設定されていたのでしょうか。もちろん『ウルトラセブン』という企画自体も二転、三転していたわけであり、その都度、タイトルも変更されていましたが、少なくとも「ウルトラ」を冠したタイトルで進められても、おかしくない気がします。この理由に関しては、円谷作品を多く手がけた満田かずほさんが、2011年放送の「ウルトラマンシリーズ45周年記念特番」のなかで詳しく語っています。
満田さん曰く、制作陣のなかでは、新番組は『ウルトラセブン』というタイトルに決定していました。そのなかで、あえて進行上では、『レッドマン』を仮タイトルに設定していたとのことです。どうしてそんなことをしていたのかというと、実は当時、「産業スパイ」が横行していたのです。
もし『ウルトラセブン』という正式タイトルが産業スパイに知られてしまえば、その名前がさまざまなジャンルで「商標登録」されてしまう可能性があります。だからこそ、円谷プロダクションは世を忍ぶ仮の名前として、『レッドマン』というタイトルを用いたのでした。
これは『ウルトラセブン』の本編における、「モロボシ・ダン」が置かれている状況とよく似ています。侵略者と戦うために仮の姿で戦っていたのは、円谷プロも同じでした。
ちなみに『レッドマン』というタイトルは、産業スパイに盗まれなかったのか、その後は独立した番組として制作、放送されています。この番組は孤高のヒーロー「レッドマン」が、野山を徘徊する怪獣たちに唐突に挑み掛かり、格闘するシンプルな内容です。
この襲撃の仕方は、一時期ネットでも話題となりました。現在もなお、ネット上ではレッドマンは「赤いあいつ」「通り魔」などと呼ばれ、散々ないじられ方をしているのです。
そういった現状を考えると、「レッドマン」という名称は、どこまでも(仮)なのかもしれません。
参考:特別番組「徹底検証!ぼくらのウルトラマン伝説~昭和のヒーロー『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』誕生秘話~」
(片野)
