「使用」していたら変形して? まさかの理由で「再利用登場」したウルトラ怪獣
『帰ってきたウルトラマン』に登場した「デットン」は、「テレスドン」によく似ています。その理由には……「着ぐるみ」たちの過酷な運命があったのです
「デットン」お前はもしかして?

『ウルトラマン』第22話「地上破壊工作」に登場した地底怪獣「テレスドン」は、二足歩行の恐竜型でありながらも、背中から顔の先端にかけて鋭利な輪郭線が引かれており、非常に美しい怪獣でもあります。以降のシリーズ作品でも、たびたび再登場している人気者です。
さて、このテレスドンによく似た怪獣が、『帰ってきたウルトラマン』の第3話「恐怖の怪獣魔境」に登場します。その名前も地底怪獣「デットン」です。
名前もふくめてよく似ているとはいえ、やっぱりテレスドンの美しさと比べるとそこは雲泥の差があります。デットンはまるで水に浸したかのように、全体的なラインはブヨブヨで、鼻先はこんもりと丸く、目も垂れていました。
「テレスドン」を意識して、急ごしらえしたかのような印象です。いや、よく見ればボディはヨレヨレのシワシワで、そう新しいものでもなさそうでした。そうなってくると、もしかして、彼の「正体」は……?
そう、実はこの「デットン」の正体は、『ウルトラマン』第22話のテレスドンの着ぐるみだったのです。(事前に多少の補修は行われていたにせよ)、あの美しいフォルムは見る影もありません。
経年劣化とアトラクションでの酷使によって、着ぐるみは大きく変形していました。それが、ほぼそのまま『帰ってきたウルトラマン』で使用されています。つまりテレスドンは、テレスドンのまま、「別怪獣」ということにされてしまったのです。それが「デットン」、言うなれば「テレスドン」の成れの果てです。
怪獣の特撮において、使用した「着ぐるみ」を改造し、別怪獣にすることは多々あれど、そのまま「劣化」で別怪獣となり、それでもなお戦い続けるとは、思わず「もう休め」と言って、抱きしめたくなります。
ちなみに『帰ってきたウルトラマン』の最終話には、初代『ウルトラマン』を追い詰めた「ゼットン」が再登場します。このゼットン2代目もまた、初代と比べると、その造形はブヨブヨで、明らかに肥満体型となっていました。
「まさかお前も、初代ゼットンが経年劣化したものなのか?」と思いきや、こちらは新造です。動きやすさを意識した結果、あの造形となったとのことでした。
「デットン」と「ゼットン」非常によく似た名前の怪獣ですが、その2体は「着ぐるみ」としては正反対の道を歩んでいます。
(片野)
