最終回でウルトラマンが見た「走馬灯」の謎 出てきた怪獣に「なぜこの2体?」
『ウルトラマン』最終回、ゼットンに倒されたウルトラマンは、とある2体の怪獣を思い出します。なぜこの2体だったのでしょうか。
どうしてこの2体なのか?

『ウルトラマン』の最終話「さらばウルトラマン」において、我らがヒーロー「ウルトラマン」は、宇宙恐竜「ゼットン」の攻撃に敗れ、倒れてしまいます。
圧倒的な絶望と、すさまじい悲壮感が漂うなかで、ウルトラマンの頭には怪獣との格闘シーンが走馬灯のように流れました。さて、この「走馬灯」が、長年ファンの間でちょっとした「疑問」として取り沙汰されています。いったい、あの名シーンの何が気になるのでしょうか。
実は、ウルトラマンがこの走馬灯で思い出す怪獣は、たった2体のみなのです。それも、第10話に登場した「ジラース」と、第9話に登場した「ガボラ」でした。
ほかにも30体以上の怪獣、宇宙人らと死闘を繰り広げてきたわけですが、ウルトラマンが死の淵で思い出したのは、「バルタン星人」でも「レッドキング」でも「ゴモラ」でもありませんでした。
たしかに、いま思えば渋いチョイスと言わざるを得ません。数の少なさもさることながら、その2体が脳裏に浮かんだ理由も、謎と言えば謎です。
走馬灯という現象について決定的な科学的な解明はまだされていませんが、一説には「脳が死を回避するため過去の記憶を高速で検索している」と言われています。仮にこれが、ウルトラマンにも応用できるのであれば、ウルトラマンはゼットン戦で、ジラースとガボラに何かしら起死回生のヒントを見出そうとした、と考えることもできます。
また、この2体の怪獣はどちらも、「エリマキ」をむしり取って倒しました。ウルトラマンの「達成感」のピークは、このエリマキをむしり取る動作にあった、というような荒唐無稽な考えすら浮かんできます。
実際のところ、どうしてこの2体の映像だったのか、に関する正確な答えは出ていません。やや外側から見た共通点を挙げるなら、ジラースもガボラも、スーツアクターは「ゴジラ」俳優としても有名な中島春雄さんでした。
またガボラは「バラゴン」の着ぐるみ、ジラースは「ゴジラ」の着ぐるみを、それぞれ東宝からを借り受け改造したものです。もしかすると、これはウルトラマンの走馬灯というよりも、円谷プロダクションをはじめとする、戦後の特撮業界がみた幻だったといえるかもしれません。
(片野)

