昭和世代が知ったら驚愕? 不人気?だったウルトラ怪獣の平成以降の「快進撃」とは
深海怪獣の「グビラ」が、ここにきてウルトラシリーズのレギュラー怪獣と化しています。令和はグビラが覇権をとる、そんな気がしてなりません。
いや、まだ「人気」ではないか?

「バルタン星人」「ゴモラ」「レッドキング」「ゼットン」などなど、1966年の初代『ウルトラマン』の登場怪獣は華々しいデビューの後、再登場したケースが多々あります。バルタン星人、レッドキングにいたってはシリーズをまたぐことなく、同じ『ウルトラマン』のなかで、「二代目」が登場していますし、ゴモラも、ゼットンも、別のウルトラシリーズで、同じく大暴れしました。
再登場回数は、それだけその怪獣の人気を表しているようにも思えます。さて、そんな怪獣の再登場に関して、この10年ほどで無視できない事態が起きました。『ウルトラマン』で登場した怪獣のなかでは、コアな人気はあるものの、比較的マイナーと言わざるを得なかったある怪獣が、とんでもない活躍を見せているのです。
その怪獣の名前は、「グビラ」といいます。『ウルトラマン』第24話 「海底科学基地」で登場した、あの深海怪獣グビラです。グビラは平成から令和にかけてのウルトラシリーズで、怒涛の勢いを見せています。まさに、地殻変動が起きたとしか思えません。
改めて、その躍進を振り返ってみましょう。『ウルトラマン』第24話で登場して以降、グビラはせいぜい怪獣たちがほぼ総出演した『ウルトラファイト』に駆り出されたくらいで、昭和時代は深く潜ったままでした。その間にも、たとえばバルタン星人はTVシリーズで「6代目」を数え、さらに『ウルトラマンパワード』で海外進出を果たすなど、「平成ウルトラマン」以降も、八面六臂の活躍をし続けていました。
もちろん、ゴモラやレッドキングなど、他のスター怪獣たちも、TVに映画に大忙しの日々です。一応、グビラも映画『新世紀2003ウルトラマン伝説』という作品で出番がありましたが、こちらも怪獣総出の「オールスター」系作品で、しかも「ウルトラマンキング」が乗ってきたソリを引く役という、あからさまな「ちょい役」でした。さぞ悔しかったことでしょう。
そんななか、2012年公開の『ウルトラマンサーガ』で風向きが変わります。グビラは怪獣軍団のうちの1体に抜擢されました。しかもここでは、ウルトラ戦士としっかりバトルを繰り広げます。彼は積年の鬱憤を晴らすがごとく暴れ、自慢のドリルを誇らしげに回転させたのでした(その後、バット星人にささっと処刑される)。
ついに覚醒したグビラは、これ以降2015年『ウルトラマンX』、2016年『ウルトラマンオーブ』、2017年『ウルトラマンジード』、2018年『ウルトラマンR/B』と、まさかの4年連続で登場します。初登場から半世紀後に、まさかの「売れっ子」となりました。
グビラの活躍はこれで終わらず、2021年『ウルトラマントリガー』では「オカグビラ」なる、海底ではなく陸上に適応した「亜種」まで登場しています。さらにこのオカグビラは、2024年『ウルトラマンアーク』でも再登場するのです。
そして最新作の『ウルトラマンオメガ』でもグビラは登場を果たし、オメガと真正面から戦って敗れました。いったい、誰がこの躍進を予想できたでしょうか。令和の子供たちからすれば、グビラはレッドキング、ゴモラに並ぶスター怪獣になりつつあるのです。
ただ、ここで気になるランキングがあります。2022年放送の特番「発表!全ウルトラマン大投票」(NHK・BSプレミアム)において、全ウルトラ怪獣のランキングが発表されました。
まさに平成から令和にかけて躍進を見せた我らがグビラですが、「怪獣部門」の順位を見ると……これが50位圏外という結果です。また「ねとらぼ」で2024年2月に行われた『【初代ウルトラマン】「怪獣・宇宙人」人気ランキングTOP31』では、惜しくもTOP31に漏れる33位という結果になりました。
どうやら、まだ完全な「人気怪獣」ではないようです。とはいえ、グビラは現場で愛され重宝される、名バイプレイヤーのような怪獣になったのかもしれません。
きっと、近年のグビラの活躍をみた子供たちが後に、同様のランキングで票を入れてくれる、そんな未来がグビラを待ち受けている……気付けばすっかりグビラ推しになっていた筆者は、そう願うばかりです。
(片野)
