シリーズ打ち切りのウワサも?『第3次スーパーロボット大戦』 入手困難な人気
1993年7月23日、バンプレストからスーパーファミコン用ソフト『第3次スーパーロボット大戦』が発売されました。『第2次』が奮わず、シリーズ打ち切りもささやかれていたにも関わらず、ソフトが入手困難なほどの人気を誇りました。
どれだけ探しても手に入らなかった『第3次』

1993年7月23日はバンプレストから『第3次スーパーロボット大戦』(以下、第3次)が発売された日です。「スーパーロボット大戦」(以下、スパロボ)シリーズ第三弾にしてスーパーファミコンで発売された初めてのタイトルとなった本作は、子供の頃にロボットアニメを見ていた世代を中心に爆発的な人気を獲得し、後のシリーズの礎となりました。友達から借りてプレイして大いにハマったものの、どれだけ探しても手に入らず、自力での購入を諦めた経験を持つライターの早川清一朗さんが本作を回想します。
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ちょうど大学生になった最初の年の夏休み、筆者は友人が貸してくれた『第3次』に没頭する日々を送っていました。『機動戦士ガンダム』シリーズや『ゲッターロボ!』『マジンガーZ』『超電磁ロボ コン・バトラーV』など子供の頃に見ていたロボットアニメに登場したさまざまなロボットたちを自分の手で動かし、宇宙から襲来した異星人などの巨悪と戦えるのです。幼い日の懐かしい思い出に浸りながら、何度も周回を繰り返していました。
ただ、しょせんは借り物だったので、いつかは返さなければなりません。その前になんとか自分の『第3次』を手に入れようと主に秋葉原の探索を続けていましたが、これが本当に、いつ行ってもどこを探しても、見当たらなかったのです。
これは『第3次』の人気がものすごかったというのもありますが、スーパーファミコンのカセットはライセンシー(この場合はバンプレスト)が任天堂にカセット製造を委託する契約となっており、追加製造をする場合は任天堂と新たな契約を結ぶ必要がありました。しかしながら任天堂が押さえている設備での製造能力には限界があり、多くのタイトルが次々と販売されている状況では既に組まれている予定に割り込む形になってしまい、それは容易なことではなかったのです。また、製造費用は事前に払い込まなければならなかったこともメーカーにとっては大きな負担になっていたため、たとえ人気作とはいえ、再生産に踏み切るのは難しい決断でした。