TVアニメからファミコンの流れ『六三四の剣』 クソゲーか?と様子を見ると…
1986年8月8日、タイトーからファミコン用ソフト『六三四の剣 ただいま修行中』が発売されました。原作は「週刊少年サンデー」で連載された村上もとか先生のマンガ『六三四の剣』。ファミコン初の対人モードを実装したタイトルです。
ファミコン初の対戦モード実装タイトル

1986年8月8日は、タイトーからファミコン用ソフト『六三四の剣 ただいま修行中』が発売された日です。村上もとか先生が「週刊少年サンデー」に連載し、TVアニメ化もされたマンガ『六三四の剣』を原作としているアクションゲームです。ファミコンで初めて対人戦を主眼においたモードが実装されたタイトルで、駆け引きの面白さを味合わせてくれました。剣道をやっていた友達が購入したので借りてプレイした経験を持つライターの早川清一朗さんが、当時を回想します。
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『六三四の剣』というマンガをご存じでしょうか。後に『JIN-仁-』など多数の大ヒット作を世に送り出した村上もとか先生が1981年から1985年にかけて「週刊少年サンデー」で連載した剣道マンガで、1985年から86年にかけてTVアニメ化もされています。
この物語は剣道一家に生まれた主人公の夏木六三四が剣道を通じて成長していく正統派のスポーツ青春作品です。父親の壮絶な死や東堂修羅をはじめとするライバルたちとの熱い戦い、ヒロインたちとの不器用な恋愛模様など、「これぞ少年マンガ」と言える要素がぎっしりと詰め込まれています。いま読んでも間違いなく楽しめる傑作なので、未読の方はぜひ読んでみることをお勧めします。きっと後悔することはないでしょう。
さて、『六三四の剣』がTVアニメ化されていた時期は、ちょうどファミコン人気が沸騰していた時期とも重なっています。こうなれば、ファミコンでゲーム化されるのも世の必然と言えるものでしたが、ひとつ懸念がありました。それはアニメ作品がゲーム化された場合、クソゲーである確率が高かったことです。
筆者自身も大好きなアニメのキャラクターが登場するゲームをプレイしてみて、「なんかすごくつまらない」という経験をすでに何度もしていました。結局このときはさんざん迷った揚げ句『ワルキューレの冒険』を購入し、『六三四の剣』は見送ることにした記憶があります。
しかしこのとき筆者にはある計算がありました。筆者のクラスメイトには剣道をやっている人間が何人かいたので、きっと誰かが買う、そう判断したのです。
そしてその読みは見事的中することになりました。