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00年発売「無理ゲー」の名作?PS『デビルマン』 前半はまるで武器なし『バイオハザード』

家庭用ゲーム機において本格的3D技術を普及させ、全世界で1億台以上売れたプレイステーション。数多くのゲームタイトルのなかでも、きわめて高い難易度でプレイヤーの記憶に残ったゲームが、2000年発売の『デビルマン』でした。

ひたすら敵から逃げるしかない「不動明編」

プレイステーション用ソフト『デビルマン』(バンダイ)
プレイステーション用ソフト『デビルマン』(バンダイ)

 1994年12月に発売された家庭用ゲーム機「プレイステーション」(以下、PS)は、世界累計で1億240万台の出荷を数え、ソフトは9億6200万本以上を売り上げています。この「分母の多さ」ゆえ、数多くの革新的なゲームソフトが誕生したのは記憶に新しいことと思います。

「メタルギア」シリーズや「バイオハザード」シリーズなどの後世にも語り継がれる名作がある一方、ユーザーに酷評されたクソゲーや、クリアするのが非常に難しい「無理ゲー」があったのも、また事実です。

 その数あるソフトの中で筆者の記憶に残るPSの「無理ゲー」のひとつが、『デビルマン』です。1972~1973年にかけて講談社の週刊少年マガジンで掲載され、同時期にNET(現・テレビ朝日)系列でアニメが放映された同作品は今なお多くのファンから支持されていますが、このPS向けに発売された『デビルマン』は基本的に、マンガ版に沿った内容となっています。

 ちなみに内容は人間・不動明を主役とする「不動明編」と、明がデーモンと合体を果たした後の「悪魔人間編」の2パートに分かれているのですが、実はクリアするのがかなり難しい一本となっています。

 そのオープニングムービーやパッケージ写真から、2004年に公開された(悪名高き?)映画版とのタイアップと誤解されるかもしれませんが、本ソフトの発売は2000年ということから、むしろ後の映画版のキャラクターデザインにこのゲームが与えた影響が大きいのかもしれません。

 オープニングムービーでは隕石が飛び交う太古の世界で互いに殺し合うデーモンたちの姿が描かれていますが、そのグラフィックはPSというハードにおいてはかなり力が入ったもの。スタートボタンを押すまで、否が応にも気分を盛り上げるものとなっています。

 もちろん、ゲームのプレイ画面は現在から見れば荒いグラフィックなのですが、逆にコレがテレビゲームらしい雰囲気で、筆者のようなアラフィフ世代にとっては「ホッとする」のが正直なところです。

 で、肝心のゲームの内容はというと、「不動明編」はズバリ言って「武器のないバイオハザード」状態。だだっ広い「飛鳥邸」のなかで「デカい蜘蛛女デーモン」やマンガ版にも登場した「ゲソー」などのデーモンから、ひたすら逃げ回るというものになっています。

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