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平成生まれでも「昭和ライダー」? ファンも困惑する「平成ライダー」の定義とは

昭和と平成で大きく変わった仮面ライダー

数々の登場ライダー同士による「ライダーバトル」要素を定着させた、『仮面ライダー龍騎』Blu-ray BOX1(東映ビデオ)
数々の登場ライダー同士による「ライダーバトル」要素を定着させた、『仮面ライダー龍騎』Blu-ray BOX1(東映ビデオ)

 昭和ライダーと平成ライダーを比べると、まず大きく違うのが「改造人間」でない主人公ライダーという点です。厳密に見ていくと、平成以降でも改造されたと思われる主人公はいます。ただし描かれ方が決定的に違いました。

 昭和では肉体を改造されることで変身可能となります。しかし平成以降では「変身ベルト」が大きな役割を持つようになりました。もちろん例外もありますが、この点が昭和と平成では異なります。

 また敵勢力の存在も様変わりしました。昭和では世界征服をたくらむ悪の組織、秘密結社が敵です。「善と悪」の対決という、わかりやすい構造でした。

 一方の平成以降は、敵の目的が世界征服という単純なものではないという設定が主流となります。その結果、「善対悪」という戦いでなはく、複数の勢力が入り乱れて戦う展開となりました。この戦いに別の思惑を持つライダーが加わり、「ライダーバトル」という概念が本格的になります。

 別の作品と世界観のつながりがない点も、大きな違いでしょう。昭和ライダーでは同じ世界観を持ち、前作の主人公ライダーが助けに来る展開などは定番でした。『RX』の終盤や、3D映画『仮面ライダーワールド』(1994年)などを見ると、確かに昭和ライダーは何かしらの形で共演しています。

 一方、平成ライダーは世界観や設定を共有しておらず、それぞれの作品が独立した世界として描かれていました。それは「各世界をめぐる」という『ディケイド』の設定でハッキリとわかります。

 もっとも平成2期と呼ばれるシリーズ以降は、劇場版でライダー同士の共演も増え、以降は同じ世界観と考えられるかもしれません。もっとも、設定の細かい矛盾なども考えると、それぞれが独立した世界と考えたほうがいいという人もいます。

 他にも、戦闘員の出番が減った、フォームチェンジが増えて「最強フォーム」と呼ばれる形態が出るようになった、1話完結ではなく連続ドラマ展開となった……など、『クウガ』以前と以降での違いは大きく、やはり別のシリーズと認識した方がいいかもしれません。

 ただ複雑なことに、『クウガ』以降に制作されながら平成ライダーにカウントされないものもあります。ネット配信作品『仮面ライダーアマゾンズ』(2016年)です。さらに劇場版『仮面ライダー THE FIRST』(2005年)、『仮面ライダー THE NEXT』(2007年)などは、平成生まれの昭和作品とも呼ばれていました。

 シリーズというものは、作品が増えていくとどうしても単純なカテゴライズは難しくなっていきます。「平成ライダー」という言葉に関しては、あくまでも便宜上のものと考えたほうが良さそうです。

(加々美利治)

【画像】「え、そんな共通点が…」これが、平成以降の製作なのに「平成ライダー」じゃない作品たちです(6枚)

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加々美利治

TVマンガ研究家。おもにトレーディングカードやシールといったアイテム関係のテキスト制作に携わる。21世紀以降は東映アニメーションやバンダイナムコのwebサイトでのライティングを請け負う。近年はネット記事執筆へと軸足を移す。

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