実はあの人気俳優も 「ウルトラ」シリーズを彩った「人外ヒロイン」という難役の系譜
15歳にして姫のオーラ

土屋太鳳さんが、まだ15歳のときに挑んだのが、映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国』(2010年)の、エメラルド星の王女「エメラナ姫」です。エメラナ姫は、皇帝「ウルトラマンベリアル」の侵略に立ち向かう気高い王女で、優しさと強い意志をあわせ持つキャラクターです。
この役、オーディションを何度か行ったもののイメージに合う役者がなかなかみつかりませんでした。そこへ、あるスタッフから紹介されたのが新人同様の土屋さんでした。ひと目見て、高貴さと気品のオーラをまとうような違いを感じたのでしょう。一気に決定したそうです。
演技に関しても周囲が驚くエピソードが残っています。撮影は合成映像を前提としていて、グリーンバック用の壁で囲われた殺風景ななかで演技することも少なくありませんでした。つまり、目の前に映像がないので、視覚から得る情報は無のまま感情表現しなければなりません。そのようななか土屋さんは、「祖国の星が滅亡するのを目にして悲しみをこらえる」というシーンで、ほろりと涙をこぼしたのです。きっと彼女の目には映像が浮かんでいたのでしょう。15歳とは思えない集中力で役に入り込んでいたとは恐れ入りました。後年、土屋さんは、エメラナ姫について「女優としての原点のような役」と語っています。
「人間じゃないヒロイン」を昭和までさかのぼると、『ウルトラマン80』で荻原佐代子さんが演じた「ユリアン/星涼子」はウルトラの星の王女、そして『ウルトラマンA』で星光子さんが演じた「南夕子」は、地球人ではなくて月星人でした。ともに、いまなお多くのファンに愛されているヒロインといえるでしょう。
(玉城夏)

