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伝説レスラーたちは腹ペコだった! プロレス漫画『列伝』が語り継ぐ昭和のメッセージ

貧乏メシ「涙のしょっぱい味つけのパンと牛乳」の意味は?

『プロレススーパースター列伝』第2巻(グループ・ゼロ)。「首折り魔!スタン・ハンセン」編で、パンと牛乳ばかりで過ごした無名時代のハンセンが描かれる
『プロレススーパースター列伝』第2巻(グループ・ゼロ)。「首折り魔!スタン・ハンセン」編で、パンと牛乳ばかりで過ごした無名時代のハンセンが描かれる

 見事、ブルーザーに勝利したブッチャーの「ステーキ」にかける執念には脱帽です。またそんなシーンがあったからこそ、単行本最終巻「狂乱の貴公子! リック・フレアー編」で流血戦を繰り広げた後、「お互いだいぶ派手に血を流したから栄養を補給しねぇとな」と、フレアーにステーキをおごった(ケチで有名な)ブッチャーの行為は最大限の“おもてなし”として強く印象に残ったのかもしれません。

 またあくまで推測ですが、ブッチャーの凶器といえばフォークが有名。ともすればそれも並みならぬ「ステーキへの執念」がカタチとなって表れたものかもしれません。

 そんな“列伝メシ”の頂点として描かれる“ステーキ”の対極に位置する若手の貧乏メシの象徴として、同作品には“スパゲティーとコーラ”や“涙のしょっぱい味つけのパンと牛乳”などのキラー・メニューが存在します。

 そこに「極上の肉を喰らいたくば努力せよ」という、梶センセによる昭和の熱いメッセージが込められていることは間違いありません。劇中でも、ドリーさんが若手レスラーたちに対して「やつらは自分の努力と腕でステーキを食える身分にならんとな」という本心として語られています。

 ドリーさんは極上のワインと血のしたたるステーキ、(ジャンボ)ツルタはスパゲティーにコーラ……という食事風景も、決してパワハラではなく弟子たちに対する“親心”であり“愛”なのです(シークとブッチャーの場合はパワハラです)。

 新型コロナウイルス感染拡大によって経済的にダメージを受けた飲食業界の再活性化につなげる目的の「Go To Eatキャンペーン」が 2020年9月から順次始まりますが、今はおりしも“食欲の秋”。マスク着用(マスカラスやデストロイヤーのソレではなく)で感染予防対策をし、ステーキを食べに出かけた際には、梶センセが残した「食」に対するメッセージをいま一度思い起こしたいものです。

(渡辺まこと)

【画像】努力で「ステーキ」を勝ち取った? 伝説レスラーたちの自伝

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