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昭和の流行語「シオシオノパー」生んだ『快獣ブースカ』は、子供に寄り添う友達だった

流行語は「時代をうつす鏡」と言われ、人気マンガやテレビの中から生まれることも多いものですが……1960年代後半に子供たちの間で爆発的に流行った「シオシオノパー」という言葉、覚えていますか? これはとってもかわいらしい快獣「ブースカ」のセリフだったのです。

世界的指揮者の音楽の原点にも…

「快獣ブースカ COMPLETE DVD-BOX」(バンダイビジュアル)
「快獣ブースカ COMPLETE DVD-BOX」(バンダイビジュアル)

 1960年代後半に巻き起こった第一次怪獣ブームのさなか、「もしも、家に怪獣がいたら?」をテーマに作られた異色の特撮番組がありました。その名は『快獣ブースカ』。“怪獣”ならぬ“快獣”の字面のとおり、人間の敵ではなく仲間のような存在のブースカは、のんきでユーモラスな性格で大人気となりました。世界的指揮者の佐渡裕氏も子供の頃はブースカに夢中で、ブースカになりたくて仕方がなかったのだそう。「自分の音楽の原点はブースカのテーマソングだ」と公言しているほどです。

 かわいらしい容姿のブースカは令和の現在でも人気が高く、フィギュアや文具、Tシャツなどの新作グッズも登場していますので、番組を見たことがなくても、そのキャラクターに見覚えがある人は多いのではないでしょうか?

 ブースカは、発明好きな少年・屯田大作の実験から生まれた快獣です。ゴジラのような大怪獣を作ろうとしてペットのイグアナに自作の栄養剤「クロパラ」を与えたところ、栄養剤の材料が古かったために怪獣ではなく、かわいらしい快獣になってしまったのです(モコモコした外見からは、もとがイグアナだったというのが想像しにくいですが……)。

 ブースカは、身体の大きさを変える、姿を消す、力は百トン力、空まで飛べるなどさまざまな能力を持っていましたが、決してヒーローではありません。おっちょこちょいで、気が優しくて、大好物のラーメンなら30杯は食べるという大食いさん。小学生の子供たちに混じって空き地で野球や相撲をしたり、かくれんぼをしたり、時には冒険を楽しんだりする姿は、快獣ということを忘れ、ちょっと身体の大きなお友だちにしか見えなくなってきます。

 テレビの前の子供たちにとっても、ブースカはゆかいな友だちそのものだったに違いありません。そんな、大好きな友だちブースカが話す言葉だからこそ、「ブースカ語」は爆発的な流行語となりました。

【画像】現代でも発売され続ける「ブースカ」グッズたち

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