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映画『胸が鳴るのは君のせい』 全ての片思い経験者に思い起こさせるものとは…?

一瞬で青春時代を思い起こす、片思いの瞬間

原作マンガ『胸が鳴るのは君のせい』1巻(小学館)では、片思いの相手である有馬が表紙に描かれる
原作マンガ『胸が鳴るのは君のせい』1巻(小学館)では、片思いの相手である有馬が表紙に描かれる

 本作で描かれているのは、ふとしたときに高鳴る「好き」の気持ちです。

 高校生になってからも、有馬のことを好きな自分は重くないかな、と少し不安になっているつかさ。そんなつかさに、有馬は「普通に嬉しいよ、ありがとう」と伝えてくれて、つかさは泣いてしまう……大きな事象が起きているわけではありません。日常の些細な場面で、つかさと一緒に読者も胸が鳴ってくシーンがいくつも散りばめられています。

 また、主人公のつかさの真っ直ぐさには、思わず応援したくなる魅力があります。片想い中でありながら、自分の気持ちに溺れることなく、周りも見ることができるつかさは、人間的には器用であり、恋愛的には不器用な性格。そんなつかさが、「好き」の気持ちを悩みながらも毎日更新していく姿に、読者自身が片想いをしていた頃の気持ちがいつの間にか重なっていくのです。

 片想いだからできること、できないこと。
 両思いだからできること、できないこと。
 付き合ったからできること、できないこと。

 そうだ、この時はこの気持ちだったな……と、気持ちの回想に嬉しくも苦しくもなるのです。

 そしていよいよ、6月4日からロードショー! 今回、主人公のつかさと有馬を演じられる俳優さんも大きく話題となっています。つかさはリクルート「ゼクシィ」12代目CMガールで注目を集めた女優の白石聖さん。有馬は美少年/ジャニーズJr.の浮所飛貴さん。演技の実力も去ることながら、紺野先生の美しく可愛い絵柄と比べても遜色のないおふたりです。

 また、映画公式サイトのあらすじでは「高校1年生の3学期に転向してきた有馬」となっているので、原作とはまた少し違ったストーリーが楽しめそうですね。

 原作では、1巻の表紙が主人公サイドでなく、想い人である有馬のかっこいいショットから始まり、大きく話題となりました。実写化でも、つかさの奮闘が有馬に届くまでを繊細に、ときに大胆に描いて我々の胸を高鳴らせてくれることでしょう。

 いま一度、原作を読み返して映画公開の日を待ちたいと思います!

(別冊なかむらりょうこ)

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