女性どうしの絆を描く「ロマンシス」漫画 「親友の遺骨」を抱えて旅をする物語も…?
3000作品以上の少女マンガを読破し、毎週月曜22:00からニコ生で「別冊・少女マンガ倶楽部」を配信している別冊なかむらりょうこさんが、女性どうしの結びつきを描く「ロマンシス」マンガを紹介します。
「百合」ではない、女性どうしの究極の結びつきを描く
どうもこんにちは。少女マンガ大好き中村涼子です。今回は、女性どうしの究極の結び付きを描く「ロマンシス」マンガについてお話したいと思います。
「ロマンシス」とは、「ロマンス」と「シスターフッド(女性の連帯や絆を表している単語)」を組み合わせ、近年出現した造語のようです(男性の友情の場合は「ブロマンス」)。
また、「ロマンシス」は「百合」などとは違い、あくまでも女性同士の友情やつながりを表現したジャンルです。恋愛が軸となることが主な少女マンガのなかで描かれてきた、女性同士の友情の物語。親友であり、仲間であり、同志であり、ライバルであったり、救いであったり。
今回は、皆さんにぜひ読んでいただきたい「ロマンシス」マンガを紹介します。
●「メロディ」の大人気連載『かげきしょうじょ!!』
「ロマンシス」マンガ作品を集めた増刊「メロディ+」第1号が、2021年8月に白泉社から発売されています。本家は同社の少女マンガ誌「メロディ」で、表紙を飾るのはその「メロディ」の大人気連載『かげきしょうじょ!!』です。
斉木久美子先生による『かげきしょうじょ!!』は、既刊11巻、電子版を含めて累計100万部を超え、2021年夏にはTVアニメも放送されました。大正時代に創設された「紅華歌劇団」と「紅華歌劇音楽学校」を舞台に進んでいくこの物語は、実在の宝塚歌劇団を彷彿とし、華やかな舞台に立つ少女たちの裏側を見ている感覚になります。
ド級の真っ直ぐさで周りを自然と巻き込んでいく主人公の「さらさ」と、親友の元国民的アイドル「愛」の名コンビを中心に、仲間でありながらもライバルである少女たちの挫折と成長のストーリーにドキドキをもらえます。
●大ヒット作品のなかで描かれる「ロマンシス」
また、ヒーローとの恋愛事情と同時に、主人公たちの友情関係に「私もこんな友達が欲しい!」と思わず叫んでしまう作品も数多くあります。
全く違う環境で育ったふたりの少女のガールミーツガールを描く、矢沢あい先生の『NANA』。
巻数が進むごとに、主人公だけでなく登場人物全ての女の子を応援したくなる、椎名軽穂先生の『君に届け』。
女性どうしの友情が強すぎることは、恋愛するときに邪魔になってしまうのか?(結果、否)と考えさせられた、東村アキコ先生の『海月姫』や、『東京タラレバ娘』。
親友3人が自分の出会った男たちを語る尾崎衣良先生の『深夜のダメ恋図鑑』や、物心つく前にBLに目覚めていたという作者と仲間たちの日常を描いた、つづ井先生による『腐女子のつづ井さん』シリーズも、1話完結で読みやすく、声に出して笑える面白さです。