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映画『胸が鳴るのは君のせい』 全ての片思い経験者に思い起こさせるものとは…?

紺野りさ先生がヒロインの片思い奮闘を描いた『胸が鳴るのは君のせい』が実写映画化され、2021年6月4日から公開されます。嬉しくも苦い、恋愛の記憶を思い起こさせる同作について、少女マンガに詳しいタレントの別冊なかむらりょうこさんが解説します。

物語のメインは片思いの奮闘

2021年6月4日公開予定の映画『胸が鳴るのは君のせい』ポスタービジュアル (C)2021 紺野りさ・小学館/「胸が鳴るのは君のせい」製作委員会
2021年6月4日公開予定の映画『胸が鳴るのは君のせい』ポスタービジュアル (C)2021 紺野りさ・小学館/「胸が鳴るのは君のせい」製作委員会

 昨年2020年に映画化が発表されていた、紺野りさ先生による『胸が鳴るのは君のせい』の公開日が2021年6月4日(金)に迫ってまいりました! 今回は上映の前に、『胸が鳴るのは君のせい』とはどんな作品か見ていきたいと思います。

『胸が鳴るのは君のせい』は、2012年から2014年まで小学館の少女マンガ雑誌『ベツコミ』で連載され、全6巻(本編5巻+番外編1巻)が刊行されました。作者・紺野りさ先生による、初めての長期連載で、累計発行部数は250万部を突破しています。

 紺野りさ先生は、今まで発表された作品数は多くないものの、その一つひとつの完成度の高さから、多くの読者を虜(とりこ)にしてきました。

 そして、『胸が鳴るのは君のせい』は、片想い奮闘記の決定版! 物語は、主人公つかさが片思いの相手・有馬に告白するというところから始まります。

 中2のときに転校生としてきた有馬をずっと気になっていたつかさ。今までバカにされることの多かった男の子っぽい自分の名前を「いい名前じゃん」と言ってくれたり、世話焼きで断れない自分の性格を上手くカバーしてくれたりと、つかさの気持ちは日に日に大きくなっていきます。

 友達からも「両思いじゃない?」と言われ、ちょっとの期待をして卒業間近の中三の冬に勇気を出して告白してみるも…

「つかさのこと、そういうふうに見たことない」と、あえなく玉砕。

 ショックを受けるも、つかさは自分の気持ちを再認識。有馬に、諦めない気持ちを伝えると、高校も同じことが判明。好きな人との新たな高校生活が始まる……!

 相手は自分のことを恋愛対象として見ていないと知った上で始まる、主人公・つかさの片想い奮闘記です。本編5巻の中に、好きになるきっかけから、紆余曲折してゴールに辿り着くまでの「片想い」の流れが一切の蛇足無しで描かれています。

 巻末に紺野先生が書かれていますが、この作品はあくまでも「片想い奮闘記」であり、そうでなくなってからは軸がズレてしまいそうなので描かなかったとのこと。その続きが気になる方には、6巻目にあたる『胸が鳴るのは君のせい 番外編』にて、登場人物たちのその後が垣間見れる……という楽しみもついております。

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