話題沸騰のドラマ『恋する母たち』 柴門ふみ先生の原作と見比べる楽しさも
2020年10月から放送されているTVドラマ『恋する母たち』が、放送の度に話題になっています。柴門ふみ先生が描く原作マンガと見比べると、そのキャスティングやドラマならではの描写に納得できる部分も見つけることができます。
恋愛の神様が描く、守りと攻めの「母」の姿
2020年10月からTBS系列で始まったドラマ『恋する母たち』が、放送される度にSNSなどで大きな話題となっています。柴門ふみさんによる原作マンガとあわせて見ると? 少女マンガに詳しい芸人の別冊なかむらりょうこさんが語ります。
* * *
夫が突然、駆け落ちをして失踪した後、息子をひとりで育ててきた杏。ある日、息子が通う高校から突然呼び出しを受けた彼女は、ともに呼び出されたふたりの母、まり、優子と知り合う。ふたりもそれぞれ、人生に悩みと迷いを抱えていた……。
10年以上越しに旦那の所在が発覚、そして旦那と駆け落ちした女性の元旦那との恋愛が始まる杏。
旦那の浮気を家庭のために我慢するも、自身も落語家の男性と恋に落ちそうになるまり。
自身がバリバリ働き家族を養いながら、12歳下の部下と関係が始まってしまう優子。
旦那、息子、家族、仕事、そして恋。恋だけに夢中にはなれない、3人の母たちに訪れた、迷い多きラブストーリーの結末とは……?
ドラマ『恋する母たち』の原作は、『東京ラブストーリー』や『あすなろ白書』など、1990年代から大ヒットドラマとなるマンガを生み出してきた柴門ふみ先生の同名マンガです。週刊誌「女性セブン」にて2017年から2020年8月まで連載されていました。
マンガは掲載されていた雑誌のターゲット層の影響を受ける場合がありますが、女性週刊誌で連載されていた『恋する母たち』は、まさに昨今世間を騒がせるトピックスが盛り込まれています。
不倫、愛人、駆け落ち、略奪、離婚。
これらのパワーワードだけで、思わず敬遠してしまう人もいるかもしれません。しかし、同作品で描かれるのは、自分の気持ちだけでは突っ走れない「母」たちの姿です。
家庭を持ち、子供が産まれ、生活するためのお金も必要。そんな守るものができた母たちに訪れた突然の「恋心」。恋愛の神様、柴門ふみ先生が3人の主人公の迷い、葛藤を細やかに、そして大胆な構成で描き切ってくれています。