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「ライダーカード」も50年で進化した! スナックのおまけから最新ゲームまで…

作品に取り入れられて進化するカード

カードが作品内の設定に取り入れられ、大ヒットした『仮面ライダー龍騎』。画像は「仮面ライダー龍騎 Blu‐ray BOX 1」(東映)
カードが作品内の設定に取り入れられ、大ヒットした『仮面ライダー龍騎』。画像は「仮面ライダー龍騎 Blu‐ray BOX 1」(東映)

 それから20年以上経って、『新世紀エヴァンゲリオン』の人気に引っ張られる形で「トレーディングカードブーム」が起こりました。この時、『仮面ライダー』も商品化し、直筆サインカードが人気を呼んで、かなりの売り上げを記録します。その好評ぶりに第二弾、『仮面ライダーV3』以降の作品も商品化されました。この時、「仮面ライダースナック」の復刻版カードをオマケにした「仮面ライダーチップス」も販売されます。

 この90年代後期に起こったブームをきっかけに、『遊戯王』のヒットで日本に「TCG(トレーディングカードゲーム)」という文化が根付き、「カードショップ」という新しいジャンルの産業が定着しました。これをして日本人はカードが基本的に好きだと論じる専門家もいます。

『仮面ライダー』も「RIDERS’ LEGEND」というTCGをブームの際に販売しましたが、残念ながら好評とはいえず、1年ほどでシリーズ展開を終了しました。イラストでなく写真を使った斬新なTCGだっただけに、残念に思うファンも少なくなかったです。

 その後、TCGに使われるカードを『仮面ライダー』の世界に組み込んだ作品が、2002年から始まった『仮面ライダー龍騎』でした。作品の面白さと相まってメインの商品となったカードは飛ぶように売れ、平成シリーズのキャラクター商品売り上げ1位を記録します。

 変身ベルトや関連アイテムという高額商品に、比較的安価なカードを使ってプレイバリューを広げたことがヒットの要因だったと分析する人もいました。そして、この形は徐々に整えられ、平成ライダー2期といわれる作品では定番化していきます。

 しかしこの時、カードは商品としてヒットするという思い込みが送り手側にはあったようで、わずか2年後の2004年に『仮面ライダー剣(ブレイド)』で今度はトランプをモチーフにしますが、商品売り上げを一気に下降させてしまいました。

 その後、『仮面ライダー』とカードが関係したのは、2008年に稼働したアーケードゲーム「仮面ライダーバトル ガンバライド」です。そして、このカードを使った仮面ライダーが翌年2009年から平成仮面ライダー10周年プロジェクトの一環で放送開始した『仮面ライダーディケイド』でした。

 10周年というお祭り要素もありましたが、この作品で『仮面ライダー龍騎』の売り上げ記録を更新、2011年まで1位記録を伸ばし続けます。

 その後、「ガンバライド」は2013年から「ガンバライジング」へと筐体を変えますが、今なお玩具屋やゲームセンターなどで稼働中。安定した根強さを見せています。逆にこの筐体が現存することで、『仮面ライダー』という作品でカードがメインになるシリーズは『仮面ライダーディケイド』以降現れていません。

 しかし前述した通り、カードの役割はメダルやスイッチ、今は本という形でライダーシリーズに受け継がれています。最初はただの関連ヒット商品だったカードが、やがてシリーズの根幹となるアイテムの始祖となるとは誰も思わなかったことでしょう。このように仮面ライダーとカードには、切っても切れない縁があったわけです。

(加々美利治)

【画像】今も昔も変わらずそばにある! 仮面ライダーとカードの関係(4枚)

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