ウルトラマンが「武器」を持ったのはいつ頃から? ブレスレットからしゃべる剣まで…
近年の作品では武器を持つことも多いウルトラマン。その「武器」のルーツはどれくらい前にさかのぼるのでしょうか? そして、ウルトラマンが持つ武器も時代によって大きく変わっていきました。
万能だったブレスレットから歴史が始まる
近年のウルトラシリーズの作品では、ウルトラマンが武器をもって戦う姿が多く見られますが、ウルトラマンが初めて武器を手にしたエピソードは、今から50年前の8月6日に放送された、『帰ってきたウルトラマン』第18話「ウルトラセブン参上!」でした。
この時に新ウルトラマン(現在ではウルトラマンジャックという正式名称がありますが、当時の時代に合わせて新ウルトラマンと表記します)が戦った怪獣がベムスター。一度は新マンを倒したほどの強敵怪獣です。
このベムスターを倒すため、ウルトラセブンが新マンに渡したのが「ウルトラブレスレット」でした。以後、ウルトラブレスレットは新マンの頼れる武器として左手首に装着され、数々の凶悪怪獣を倒すことになります。
武器といえば、セブンの「アイスラッガー」も手に持つことのできる武器と言えないこともないですが、あれは体の一部ですから「武器」とみなすのは難しいでしょう。
ウルトラブレスレットは、以降の第二期ウルトラシリーズではある種の定番武器になります。ウルトラマンAはゾフィーの持ってきた「ウルトラコンバーター」を一度使用したにすぎませんが、ウルトラマンタロウは本来持っていた「タロウブレスレット」のほかに、ウルトラの母から「キングブレスレット」という、さらに強力なブレスレットを手に入れていました。
ウルトラマンレオも最初からつけていた「レオブレスレット」のほかに、ウルトラマンキングから授かった「ウルトラマント」をアームブレスレットにして左上腕部に装備しています。
このブレスレット系の武器は、まるで魔法のようにさまざまな形に変わることができ、時には怪獣を切り裂き、時には怪獣をほんろうし、時には役に立つ道具になるという万能アイテムでした。ウルトラマン自体が見せる神秘の超能力以上に、何でもできる印象です。
もちろん、ウルトラマンがブレスレット以外の武器を使うこともありました。「エースブレード」と呼ばれる、Aが超能力で作り出した長刀や、ウルトラの父が持っていた「ウルトラアレイ」。レオが工場の煙突から作り出した「レオヌンチャク」などです。
しかし、いずれも使用回数は少なく、この時代のウルトラマンの持つ武器といえば、ブレスレットの印象が強いでしょう。そうした意味では、ブレスレットは第二期シリーズを象徴する武器といえるかもしれません。
ところが、以降のシリーズでは第二期シリーズのように万能アイテムとして使用されることはほとんどなくなってしまいます。