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映画『ザ・スーサイド・スクワッド』に詰まった、ガン監督の凄まじい「アメコミ愛」

ジェームズ・ガン監督のアメコミ愛が爆発

『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』新バージョンポスタービジュアル
『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』新バージョンポスタービジュアル

 アメコミファンの目で本作を見ると、監督をつとめたジェームズ・ガン氏のこだわり、原作コミックへの愛、濃厚で緻密な考えを感じ取ることができます。

 今作に登場したキャラクターは、DCコミックスの世界に登場する膨大なキャラクターからガン監督自身が選んだそうです。例えば、水玉模様が特徴的な「ポルカドットマン」は、「DCキャラクターの中で史上最も間抜けなのは誰だ?」とネットで調べた際に出てきたキャラクター。原作では悲しくて哀れなキャラクター性を、人からバカだと思われて落ち込んでいるキャラクターに変更し、悲劇的なストーリーを入れてキャラクターに深みを与えています。

 ガン監督のこだわりは映画のポスターにも表れています。公開日やキャストが書かれたポスターの下部に「Get DC comics at comics shop. Read DC comics at DC universe infinite(コミックショップでDCコミックを手に入れる。DCユニバース・インフィニットでDCデジタルコミックを読む)」と記載。これは原作コミックを読もうというメッセージです。

 新型コロナウイルスの影響により、コミック取次店のダイヤモンド・コミック・ディストリビューターズが凍結されたほか、多数のコミックショップや出版社、クリエイターが壊滅的なダメージを受けており、ガン監督はSNSで「素晴らしいコミック出版社やライター、アーティストたちをサポートしたいと思っている」とコメントしています。

 監督はDCコミックスにとどまらず、マーベルやイメージ、ダーク・ホースといった他の出版社のことも取り上げるなど、自身のアメコミ愛を広く発信しています。

 数々のこだわりによって作り上げられた『ザ・スーサイド・スクワッド』は、確実にジェームズ・ガン監督の代表作になったといえます。思い切りのあるジェットコースタームービーで最後まで視聴した人を楽しませる内容で成功をおさめています。スピンオフドラマの展開は決定していますが、続編の製作も期待したいところです。

(大野なおと)

※『ザ・スーサイド・スクワッド ”極”悪党、集結』はR15+指定で全国公開中。

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