子供たちに愛された仮面ライダー「悪の大幹部」の歩み。時代とともに姿は消えて…?
時代に合わせてさまざまな変化をした悪の大幹部たち

『仮面ライダーX』では、それまでとは違うタイプの大幹部が登場しました。
前半、Xライダーと戦ったのが「アポロガイスト」。それまでの大幹部と大きく違う点は、変身して毎回Xライダーと戦うライバル的存在だということです。平成ライダーシリーズ以降に登場する敵キャラに近い存在で、『仮面ライダーディケイド』では、リデザインされ後半の敵の指揮官として活躍していました。
『仮面ライダーX』の物語後半に現れた「キングダーク」は、他に例を見ない存在です。最後に巨大な敵と戦うというのはパターンとしてありますが、最初から巨大で、しかも実物大が存在している圧倒的な巨大感は圧巻でした。その知名度ゆえに仮面ライダーたちが集合する劇場版でも終盤によく登場しています。
人気の高い大幹部といえば、『仮面ライダーストロンガー』の「ゼネラル・シャドウ」(現在はジェネラル・シャドウ名義が多いが、当時のオープニングクレジットに合わせています)は外せません。
大幹部でありながら一匹狼気質の性格で、ブラックサタンにいながらも組織を崩壊させ、新組織デルザー軍団を結成する手腕など、悪の魅力にあふれた存在です。悪には珍しい白を基調としたカラーリングは、組織内のライバルであるタイタンの黒と対になっています。このシャドウも人気があり、平成ライダーシリーズ劇場版ではリデザインされてたびたび登場していました。声は当時と同じく声優の柴田秀勝さんでしたので、当時のイメージのままで活躍しています。
このように、大幹部は作品ごとにさまざまな形へと進化していきましたが、平成ライダーシリーズに大きな影響を与えた幹部といえば、やはり『仮面ライダーBLACK』の「シャドームーン」でしょう。
それまでの仮面ライダーの偽物でなく、オリジナルの仮面ライダーとは別の存在、「悪の仮面ライダー」である点は、平成以降のライダー同士で戦うというドラマに先駆けていたと考えられます。もちろん、この当時のシャドームーンは仮面ライダー名義ではないわけですが、現在のライダーシリーズから紐解くと、悪の仮面ライダーの始祖ともいえる存在でしょう。
ちなみに現在、NHKで放送予定のテレビ番組『全仮面ライダー大投票』では、シャドームーンが仮面ライダーのひとりとして投票できるので、一部では物議になっていました。筆者としては仮面ライダーではないと思っていますが、悪の組織の大幹部に一票も入れられないから、これはこれでいいかなと思います。
昨今では敵側の強キャラもラスボスもすべて仮面ライダーとなって、悪の大幹部と言える存在の登場は減少していますが、やはり悪の華として、仮面ライダーと互角に渡り合う大幹部の復権を見たいですね。
(加々美利治)




