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「漫画家のペンネーム」面白すぎる由来 想像の斜め上をいく意外な理由も

勘違いされて定着したペンネームも

神様に遠慮してペンネームを使う島本和彦先生。画像は熱すぎるマンガ家を描いた『燃えよペン』電子版(小学館)
神様に遠慮してペンネームを使う島本和彦先生。画像は熱すぎるマンガ家を描いた『燃えよペン』電子版(小学館)

●本人的にはトホホな2大巨匠のペンネーム

 昭和初期に『のらくろ』大ブームを起こした田河水泡(たがわ・すいほう)先生。あの手塚治虫先生も幼少期に『のらくろ』の模写をしてマンガの練習をしたそうですから、日本マンガ界の父ともいえる存在です。そんな田河先生の本名は高見澤仲太郎(たかみざわ・なかたろう)。堅苦しい名前では漫画家にふさわしくないと考え、苗字のローマ字「TAKAMIZAWA」を「TA(田)」「KA(河)」「MIZ(水)」「AWA(泡)」に分けて田河水泡としたのだそうです。ただし先生が考えた読み方は「たかみずあわ」だったのに、みんなが「たがわすいほう」と読むため、自分でも折れて「たがわすいほう」でいいや、となってしまったのだとか。ご本人としては少々残念なペンネームだったようです。

『ゲゲゲの鬼太郎』の水木しげる先生は、その気もないのに勝手にペンネームがついてしまったトホホなケースです。本名を武良茂(むら・しげる)という水木先生は、漫画家になる前は紙芝居作家をしながら「水木荘」(地名に由来)というアパートを経営していたのですが、紙芝居業の社長が一向に名前を覚えてくれず、「水木さん、水木さん」と呼ぶので、いつしか「水木しげる」になってしまったのだそうです

●配慮が生んだペンネーム

 『モテキ』の久保ミツロウ先生は女性作家で、もともとは「久保美津子」という本名で描いていましたが、ホストクラブを題材にした作品『3.3.7ビョーシ』の連載を機に男性のようなペンネームに変えました。久保先生によると、「女の漫画家が取材でホストクラブに入りびたるなんていい気なもんだ」と思われるので、余計な詮索をされないよう配慮したのだとか。また、「将来、大人のマンガを描くことも視野に入れて(男性のような名前にした)」と語ったこともありました。今よりもさらに厚かったジェンダーの壁によってできたペンネーム、ということでしょうか。

 暑苦しいほどの熱血マンガで知られる島本和彦先生は、本名を「手塚秀彦」といいますが、マンガの神様・手塚治虫先生をリスペクトするあまり、手塚姓を名乗るのは恐れ多いとペンネームを使っているのだそうです。本名なのに……とは思いますが、島本先生ご自身がきっと島本作品の主人公たちのように「度が過ぎるほど思い込んで実行する」性格なのでは、と思わされ、ニヤリとしてしまうエピソードです。

 ペンネームの付け方には、それぞれの事情あり。ちなみに『鬼滅の刃』の吾峠呼世晴先生は本名のアナグラムという説があるもののハッキリしていません。いつか機会があったら教えていただきたいものです。

(古屋啓子)

【画像】ペンネームの由来を知るともっと楽しく? 人気漫画家の作品

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