『こち亀』心にしみる両さんの「名セリフ」3選 伏線回収の言葉に感動!
『こち亀』の神回、人情あふれる友情物語といえば…?
●「幸せの神様は泣き虫が嫌いなんだ」
続いては、1999年に公開された劇場版第1作目『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE』から紹介します。
「弁天小僧」と名乗る爆弾魔が、シナトラ商会の関連施設を次々と爆発させる事件が発生。爆弾処理のエキスパートでFBIから派遣された星野リサと両さんが力を合わせて「弁天小僧」の爆弾から街を守ろうとするエピソードです。
アメリカから来たリサですが、もともと両さんと同様に下町で育った女性。子供の頃に男の子たちと工事現場でかくれんぼをして遊んでいた際、隠れていた穴に砂が入ってきて身動きがとれなくなってしまい、そのまま置き去りに。そんな時、シルエットのみで描かれた男性が手を差しのばしてリサを救助。安堵して泣きじゃくるリサに対して「幸せの神様は泣き虫が嫌いなんだ」「泣いてばかりいると、宝物が見つからなくなるぞ」と伝えました。リサはその淡い思い出を大切にしていました。
物語終盤、アメリカに帰ることになったリサはバディを組んでいた両さんとの別れを悲しみ、涙を流していたところ「リサ、泣くんじゃないぞ! 幸せの神様は泣き虫が嫌いなんだ」と言い、子供の頃にリサを助けてくれた男性が両さんだったことが判明。両さん自身もリサと「前にもどっかで会ったような気がする」と印象を話し、伏線が回収されました。
いつもハチャメチャな両さんですが、このようなカッコよすぎる名セリフや時折みせる男気満点な一面に、ハートを射抜かれてしまいます。
●「人生を投げた時点でお前の負けだ!」
最後は、ファンの間でも「神回」と評判のアニメ第110話「浅草物語」。コミックス57巻「浅草物語の巻」を題材にしており、香取慎吾さん主演のドラマ版でも描かれた名エピソードです。
物語のキーマンとなるのは、両さんの同級生・村瀬賢治(むらせ・けんじ)。ふたりは「賢ちゃん」「勘ちゃん」と呼び合う仲でしたが、村瀬はヤクザとなり逮捕されていたのです。村瀬は、自分を裏切った組(集英会)に殴り込みをかけようと護送途中にパトカーから逃亡。非番だった両さんですが、村瀬を探しに捜査に加わります。
浅草の裏路地を歩いて警察を撒いていた村瀬ですが、子供の頃に一緒に遊びまわっていた両さんは村瀬の行動パターンを読んだことで再会を果たしました。罪を重ねようとする村瀬を止めたい両さんは必死に説得。殴り合いに発展しますが「自首しろ、賢ちゃん。何があったか知らんが人生を投げた時点でお前の負けだ!」と村瀬を投げ飛ばし、両さんに軍配があがります。
実は、村瀬は中学時代に両親が離婚。エリート官僚だった父に引き取られるも汚職事件で逮捕されてしまいます。それがきっかけで、学校でいじめられるようになり、転落人生を送ったといいます。その話を聞いた両さんは「あまったれるんじゃねえ! 自分の人生を人のせいにするな! 自分の人生は自分で切り拓くもんだ!」と叱責。村瀬は自首して再スタートを切ることを決めるのです。
最後は、村瀬に手錠をかけず仲良しだった「賢ちゃん」と「勘ちゃん」の関係に戻って警察署へ向かう後ろ姿で幕を閉じます。この回は、名セリフが多く飛び出した感動エピソードとして知られることになりました。
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以上、両さんの名セリフを3つピックアップしました。ほかにも、コミックス123巻「檸檬が泣いた日の巻」で飛び出したセリフ「親も教師も見放したこいつらを、だれが目を覚まさせるんだ!」など、まだまだ紹介したいセリフはたくさん存在します。皆さんの心に残っている、両さんの名セリフは何ですか?
(中島憲太郎)