メーテルとの別れを心に刻む『銀河鉄道999』最終回。「二度と会うことはないでしょう」
「さらば、鉄郎。さらば、メーテル」

紆余曲折を経てメーテルと合流した鉄郎は、惑星プロメシュームの動力炉にたどり着きます。強大な破壊力を持つ、メーテルの父親の意志が封じられたペンダントを用いて動力炉を破壊しようと試みたメーテルでしたが、そこにプロメシュームが現れます。
プロメシュームはメーテルに「愛しい娘」と呼びかけて篭絡しようとしますが、メーテルは自らが纏う黒い衣装が「お母様に殺された大勢の若者たちを弔う喪服」「この喪服を汚すことは出来ない」と強い意志で語り、ペンダントを投げようとします。
止めに入ったプロメシュームと揉み合いになった末に、メーテルはペンダントを落としてしまいますが、すかさず鉄郎が戦士の銃で弾き飛ばし、ペンダントを動力炉の中に落とすことに成功します。崩壊してゆく惑星プロメシュームとともに女王は死亡し、メーテルと鉄郎は車掌さんが待つ999へと走り出したのです。
かろうじて脱出に成功した鉄郎、メーテル、車掌さん、そして999は、プロメシュームのひとつ手前の駅、「惑星こうもり」にたどり着きます。鉄郎は父さんや母さんが眠る地球を、自分の手で素晴らしい大地にして見せると、明るく未来の展望を語りました。
立派に成長した鉄郎の姿を見たメーテルの目から、涙がこぼれます。「用を済ませてくるから先に乗っていて」と鉄郎を促したメーテルは、立ち去り際に鉄郎へとキスをします。
それは別れのあいさつでした。
メーテルからの置手紙と鉄郎を乗せて、列車は走り出します。そして向かい側のホームの列車には、メーテルの姿が。長く苦しく、時に楽しく、決して忘れ得ないふたりの旅が終わり、それぞれの新たな旅が始まる日が来たのです。メーテルは涙ながらに、鉄郎は呆然ととながらも、最後は元気な笑顔で手を振りながら別れを告げました。
ひとりになった鉄郎は、星々のなかにメーテルの姿を見い出します。
さようなら、メーテル。あなたは幻なんかじゃない。
多くの少年たちの心の中に、今も宿る青春のひとつなのです。
(早川清一朗)