一応味方だけど…『キングダム』桓騎将軍の悪の魅力!残虐でも惹かれてしまう天才
「週刊ヤングジャンプ」で連載中の人気漫画『キングダム』。TVアニメも第4シリーズが放送中で、2022年夏には実写映画『キングダム2 遥かなる大地へ』の公開も決定しています。膨大な数の魅力的なキャラクターが登場する作品ですが、なかでも六大将軍のひとりである桓騎は、凄惨な逸話と怪しい魅力に満ちあふれたキャラクターとして異彩を放っています。
残忍極まる性格ながら怪しげな魅力にあふれる桓騎

春秋戦国時代末期が舞台の歴史バトルマンガ『キングダム』には数多くの印象的なキャラクターが登場しますが、そのなかでも桓騎(かんき)将軍の放つ怪しげな魅力は際立っています。
桓騎が始めて登場したのは第203話、単行本では19巻にあたります。秦と魏の戦の際に蒙ゴウ(もうごう)将軍の副将のひとりとして王翦(おうせん)とともに登場した桓騎は、もともとは大野盗団の首領であり、性格は残忍そのもの。野盗時代の気性の荒さが抜けきれず、未だに投降兵たちを殺しまくり、ある城邑(じょうゆう・城壁にかこまれた町)を攻め落とした際に自ら住人全員の首をはねたなど、物騒な紹介をされていました。
事実、魏との戦でも殺害した兵士の目玉をくりぬき袋詰めにして魏軍に送りつけており、その残虐性が事実であることを示しています。しかしただ残虐なだけではなく、軍略家として名高い玄峰の策の裏をかき、逆に玄峰の陣へと潜入し首を取ることに成功しており、戦場での有能さを証明しました。
桓騎の次の出番は、秦国最大の危機となった「合従軍」編です。要衝である函谷関(かんこくかん)に蒙ゴウ、張唐(ちょうとう)の両将軍とともに配置された桓騎は、魏国の井闌車(せいらんしゃ)に火をかけ焼き尽くし、もう一台を利用して逆に地上へと降り立ち敵の大海原を堂々と渡るという大胆不敵な戦術で、張唐が韓の将軍・成恢(せいかい)を討ち取るアシストを務めました。
このとき蒙ゴウからは、桓騎はかつて秦に存在していた伝説の将軍たち「六大将軍」級の才能を持つと評価されましたが、張唐とのやりとりで桓騎は「秦が滅びようがどうしようが俺の知ったこっちゃねェんだよ」と秦の武将としてはありえないセリフを吐いています。しかし死を迎えようとした張唐は桓騎が己の力で戦に勝つ快感にはまっていることを見抜き、それは「名武将の持つ気質そのもの」であると評価しました。馬上で息絶えた張唐が落馬しそうになったときには体を掴んで支えており、自分の才能を認めた人間には必ずしも残虐一辺倒というわけでもないようです。
※ここから先の記事では、『キングダム』単行本未収録の話の情報に触れています。ご了承の上お読みください。